喋れず少女(狼ゲームアナザー) (ページ16)

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夢の中でページ16

ユウト「…僕は、本当は死にたくなかったのに」

え…？

タクヤ「俺だって、生き残んなきゃいけなかった」

…

ユウト「アンタが…」

タクヤ「お前が…！」

「「居なければよかったのに……！！！！」」

サラ「う…ぅ…っ」

居なければ、良かった。

そんなこと、何回も言われてたから

大丈夫だと。思ってたのに…

サラ「……はっ…」

……

今のは、夢…だ…

………

でも。

あの二人は、本当に…

サトル「…サラちゃん」

サラ「ひゃっ」

サトル「あっ！す、すまない。
驚かせるつもりは…」

サラ「…サトルさん」

サトル「…何だか、うなされているようだったから…」

サラ「…あ…あり、がと、ござい…ます」

サトル「大丈夫そうなら、よかったよ。」

サラ「………。」

サラは、黙って…

俯くと、ぽつりぽつりと話始めた。

サラ「………わた…し…

……あのふたり…ころ…し…た」

サトル「……あの二人というのは…
タクヤさんと、ユウトくんのことかい？」

サラ(こく)

サトル「…あの二人…みたところ、
君に凄く、寄り添っていたから…
多分、そんなこと思っていないよ」

サラ「…なら…いい…です、けど」

サラ「…あとぅ…

…さとる、さんは…なんで…

私に、そ、んなに…

……や、さし…ので、すか…？」

サトル「………

…なんでかな。
自分でも、よく分かっていないんだ」

…嘘だ。精一杯の嘘。

…彼女に一目惚れしたなんて、言えるわけがない。
なんせ…その…

いっても、困るだろうからね。

サラ「………そ、ですか。

…てっきり、

……いや

………」

サトル「………？」

サラ「……ふふっ

…お酒、飲みに行こうかな…」

サトル「…なら、私もお供するよ」

サラ「………やった」

…生まれた、確かな恋心。

…これを、引き裂くか否かは…

おそらく、私達次第なのだ。