06. ページ7
一連の事件(事件と言うほどでもない)があった次の日。
Aは、いつものように起床し黙々と仕事をしていた。
特に、問題はないが変わったところがあるとすれば、彼のビビりが悪化した。
彼は、この上ない程に恐怖体験をしたのだから悪化するのも無理もない(大分ある)。
どれだけ悪化したかというと、例えば、
sn「おはよー」
しんぺい神が扉を開けた。
その音にAはビクつき、流れる様にして奥のベッドと壁の隙間に挟まりに行った。
慣れた人でも、怖くなってしまった。もうとにかく全てが怖い。
そんな彼にしんぺい神は、「ごめんね。大丈夫大丈夫、俺だから。入るよ」とできるだけ恐怖を与えないように声をかけながら医務室に入った。
『…ぇっと、そのっ…ぉ、おはよ、ござ…ますっ』
隙間から顔を出し、声をだしたのだがその声は今にも消えそうで、それに加えぎこちない。
これまでの流れにしんぺい神は、苦笑した。
昨日のアレはこれ程までにAに恐怖を与えてしまった。
ここまでのビビりようは、しんぺい神と初めてあったときよりかはマシだが、最初に戻った感じだった。一年近くかかってやっとあの仲なので戻すには、きっと時間がいる。
そんなことを念頭に置きながら、しんぺい神はAの朝食を彼のそばに運び、自身の今日の予定を確認し始めた。
sn「…あちゃ〜。今日、街病院に行かなきゃダメだっけ?」
『え……』
しんぺい神の呟きに、朝食を食べていたAが、絶望した目を向ける。
しんぺい神も困ってしまった。今の彼を一人置いていくことは心配であるが、連れていくのもどうかと思う。かと言って、誰かに預けるのもそんな人はいない。仕事もしなくてはいけない。
どうしたものかと考えているが、完全にAの扱いが幼子である。
sn「Aくん、一人でも大丈夫そう?」
悩んだ末、心苦しいが今日は留守番を頼もうと一応確認を取る。
すると、Aの眉は八の字になり、目からは大量の水が溢れ出そうになった。
しかし、彼は少し考える素振りをして頭をブンブンと横に振った。
『…今日は、頑張って、見ます…。』
sn「え、いや無理しなくていいんだよ？」
『お仕事の邪魔になっちゃ、いけない。』
その発言に、今度はしんぺい神の目から水が溢れそうになった。
ビビりで、ウサギみたいで、見守るべき対象である彼がほんの少し、前に進んだ瞬間だった。
その発言に再度確認をとり、しんぺい神は準備をする。
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零(プロフ) - 文章力凄いですね！めっちゃ好きです！すごい気になったので一言言わせていただきます！名前の略し方おかしくないですか！？でもそこも好きです！！ビックリマーク乱用してすいませんでした！！！←← (2021年10月3日 17時) (
レス) @page7 id: c56f0c8ee7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ丸源(プロフ) - コメント失礼します。最初にタイトルを見た時気になって読み始めてとても続きが気になっていたので復帰されて良かったです！これからも無理せずに頑張って下さい！！ (2021年9月12日 0時) (レス) id: 02969da7ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒猫の深夜のお茶会 | 作成日時：2021年8月21日 22時
