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57話 ページ7

諸伏side…


諸伏「…抱かれたんですか?」


こんな事言うつもりは無かった。
何故なら、それは分かりきった事だからだ。
今日纏っていた香水、それに身体に刻み込まれた赤い印がそれを物語っている。


『まぁな。けど、今日は良い収穫があったんだ。』


嬉しそうに笑うA君。
あぁ、彼にとって身体を交えることは大した事じゃないのか。


諸伏「…。」


今口を開いてしまったら、良からぬ事を言ってしまいそうだ。

そんな事して欲しくない…などと。


『諸伏…軽蔑した?』

諸伏「そんなことは…っ!」

…あり得ない。

もし、もし本当にこれで軽蔑して嫌いになれたらどんなに楽だろう。
嫌いになれないからこそ、こんなにも辛いのだ。


諸伏「…こんな事くらいで軽蔑しませんよ。」

『ふふ、そっか。ありがとう、諸伏。仕事で身体を使うのは耐えられるが、諸伏を失うのは耐えられないからな。』

諸伏「…なんですか、それ…」


それが友達として、と言うことは分かっている。
けどどんな形であろうと、そう思って貰えてるのならそれで十分だ。



『というか、諸伏本当に性 欲あるのかよ?俺、ハニートラップ失敗したこと無いんだけど。』


A君は少し不満げにこちらを見る。

(俺に抱かれたくなった?)


もし僕がもう一つの方の香水を選んでいたら、抱きたくなる様に誘惑してきたのだろうか…?
真相は分からないが、自分の欲求を当ててみせたあの心理テストは大したものだ、と少し感心した。


諸伏「以前も言いましたが、私にだってありますよ。…自分で慰める事もね____」


わざとA君の耳元でそう言ってみればA君は驚いた後、呆れた様な顔をした。


『…お前、本当負けず嫌いだな。仕返しかよ…』

諸伏「ふふ。抱きたくなりました?」

『はは、まさか。…しかしプロのエージェントとしては見過ごせないな。いつかお前の口から「抱いてください」って言わせてみせる。』


A君も負けず嫌いだった様で、眉を寄せながらそう言った。


諸伏「このようなことをまたするつもりですか…?」


そんなの心臓がもたない。


『キスまでって約束するからさ。』


『お願い、諸伏。』と想い人にお願いされて断れるだろうか。
これぞまさしく惚れた弱み。


諸伏「……キスまでですからね。あと、人前は駄目です。」


キスならもう三度もしているし、大丈夫だろう。

この決断が大きな過ちだったことに気づくのは翌日の話。

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碌無者(プロフ) - とても好きです、続きを心待ちにしております。受けコウメイさん大変美味しいですありがとうございます!!!!! (6月8日 3時) (レス) @page16 id: 30016e5b4f (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - Excuse meさん» 流石にダメだと思いますよ。 (2023年1月31日 14時) (レス) id: cb2bf785ca (このIDを非表示/違反報告)
Excuse me(プロフ) - pixivで書いてもよろしいでしょうか?名前、タイトル変えます (2023年1月30日 22時) (レス) id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2023年1月28日 15時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - 続編おめでとうございます。主人公君の色気にドキドキです。 (2023年1月28日 14時) (レス) @page1 id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もん(mon) | 作成日時:2023年1月28日 13時

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