【諸伏高明】初恋の拗らせ方【男主】

5話 ページ6

被害者は明石周作、イラストレーター。
赤い壁の部屋で餓死している。

そしてかつてここで暮らしていたのはあと5人。

翠川(みどりかわ)尚樹、俳優。
小橋葵(あおい)、小説家。
山吹(やまぶき)紹二、ファッション・デザイナー。
百瀬(ももせ)卓人、ＣＧクリエーター。
直木司郎(しろう)、ミュージシャン。

全員名前に色が入っている。

明石周作が残したダイイングメッセージは一面塗られた真っ赤な壁。
その壁の正面には白い椅子。
そしてその椅子と背中合わせに置かれた黒い椅子は白い壁に向けられている。


高明｢この部屋に残された謎はこの赤い壁と、白と黒の椅子だけではありません。…あの窓は内側から割られ絵の具やラッカーなど色の付けられる画材は全て捨てられていて、部屋に残ったのはこの赤色のスプレーだけだった点と…被害者が自分の指を食い破りその血で自分のサインを書いている点。…このことを踏まえて名探偵に見解を聞くのが筋…。｣


諸伏は大和に向き直ると更に言葉を続けた。


高明｢もちろん、私の立ち会いのもとで。何しろ遺体発見のきっかけは館の外に散乱した大量の絵の具をたまたま通りかかった私が不審に思ったから。…いくら県警本部と言えど、その私を蔑ろにすることは…｣

敢助｢あー、分かった分かった！お前の気が済むまで傍にいやがれ…コウメイ！！！｣


小五郎｢こっ…！｣

蘭｢コウメイ！？｣

コナン｢なっ！｣


高明｢あぁ、申し遅れました。姓は諸伏、名は高明。渾名は名前を音読みでコウメイ…以後、お見知り置きを。｣


コナン｢…諸葛亮孔明ならぬ所轄のコウメイ刑事、ね…はは｣ボソッ


呆れたような顔で小さく呟かれた声は俺の耳にクリアに届いた。


『…ふｯ』

高明｢どうかされましたか？A君。｣

『…い、や…なんでも…。な、コナン君？』

コナン｢う、うん…｣


敢助｢で？どうなんだよ？眠りの小五郎さんよ。｣

小五郎｢どうって言われましても…｣

高明｢…名探偵の叡智を持ってしても容易には解けませんか…｣

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