22話 ページ23
翌日。
『諸伏。』
廊下を歩いている諸伏に声を掛けた。
諸伏「A君…。」
諸伏は気まずそうにしていてこちらを見ようとしなかった。
ちゃんと顔を見て謝りたくて諸伏の頬に手をかけた。
諸伏「…んっ」
諸伏は少し声を漏らすと俺の手を強く払った。
『…あ、…ごめん。…昨日俺が言ったこと…気持ち悪かったよな。』
俺がそう言うと諸伏は顔を歪めた。
まるで自分自身を追い詰めるような。
どうしてお前がそんな顔をするんだ。
そして震える声でこう言った。
諸伏「…ごめん、なさい。」
こちらに背を向けて歩き出す諸伏を追いかける気にはなれなかった。
拒否されるのが怖かった。
だがその日の夜。
ピンポーン…
チャイムがなった。
正直諸伏のことで悩みすぎて動く気になれなかったが、今家にいるのは俺だけ。
ため息をつきドアを開けた。
『…諸伏?どうして俺の家…』
諸伏「急にすみません…葵さんに聞いて…」
『葵に…』
諸伏に謝りたいと相談していたことを思い出し、もしかしたら葵がチャンスをくれたのかもしれないと瞬時に把握した。
『とりあえず、上がる?』
すると諸伏は緊張気味に「お邪魔します」と言った。
『はは、そんなに緊張しなくても。今、親居ないから。』
諸伏「えっ」
安心させる為に言ったはずなのに諸伏は余計に緊張の色を見せた。
『適当に座って。』
諸伏「は、い…」
『いつまで緊張してるんだよ。』
あまりにもおかしくて笑えば諸伏は拗ねたように視線をそらした。
俺は少し間隔をあけて諸伏の前に座った。
『諸伏。…本当にごめん。』
諸伏「…いえ。気にしないでください。ただ少し、…恥ずかしかっただけですから。」
頬を僅かに染めながら言う諸伏に俺は心底安心した。
『…そう、か。良かった…っ』
脱力しながら言う俺に諸伏は少し笑った。
『なんで笑うんだよ…お前は大切な友達だから必死になるのは当たり前だろ?』
諸伏「友達…そうです、よね……」
諸伏は明らかに表情を曇らせた。
…俺はまた気に触ること言ったのか?
『諸伏、何かあるなら言って。…昨日のは行き過ぎた表現だったけど、甘やかしたいのは本心だから。』
諸伏「……言ったら、叶えてくれるんですか…?」
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もん(mon)(プロフ) - Excuse meさん» すみません!友達が使いたいと言っているのでこちらの作品はご遠慮ください…>_< (2023年1月31日 13時) (レス) id: 1f4439cdc8 (このIDを非表示/違反報告)
Excuse me(プロフ) - pixivで書いてもよろしいでしょうか?主人公の名前、タイトル変えます (2023年1月31日 12時) (レス) id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
山さん - 好きぇぇぇぇぇぇえす!!!!!高明さん可愛いひろ可愛いみんな可愛いご馳走様です更新楽しみにしています(( (2023年1月27日 14時) (レス) id: df5dd681a2 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - はじめまして。面白いです。主人公君と諸伏警部の絡み最高です。主人公君と長野県警組の絡み面白いです。 (2023年1月13日 16時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - 絵は自分で書いたのですか? この主人公のCVは島崎信長さんかな? (2023年1月12日 19時) (レス) @page1 id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もん(mon) | 作成日時:2023年1月3日 10時