21話 ページ22
その日から俺の訓練は更に本格的になった。
休み時間に睡眠をとり、家にいる時間は全て訓練に使った。
1秒も無駄にしたくなかったのだ。
ある日＿＿＿＿
ピクッ
『(誰か近づいてくるな。)』
高明「…こんなところで寝てると風邪ひきますよ。」
…諸伏か。
ゆっくりと目を開くと諸伏は切なげに顔を歪めた。
高明「これ、…あの日の怪我のせいですよね。」
そう言いながら目元に触れる諸伏の手。
…やっぱりお前はそういう奴だよな。
その手を掴みゆっくりと起き上がる。
すると、何を勘違いしたのか諸伏は「…すみません」と謝った。
『…お前は人のことばかりだな。あの後ちゃんと泣けたのか？』
『平気なふりして気丈に振る舞って…』
『弟を不安にさせないようにしてたんじゃないのか？』
俺が言葉を発する度に諸伏の澄ましたような表情が崩れていく。
『ここには俺以外誰もいないんだし…もう我慢しなくていいんじゃないか？』
もっと頼って欲しい、
ひとりで抱え込まないで欲しい
そんな思いを込めて微笑めば、諸伏は涙を隠すように勢いよく抱きついてきた。
涙が俺の肩を濡らしていく。
あぁ、父さんの言う通りだった。
この"情"がどういう意味の情かは分からない。
けど、守りたいと思った。
この見栄っ張りで強がりな諸伏を放っておけない。
『同級生にこんなこと言われるの…戸惑うと思うけどさ、』
もっと諸伏のことを知りたい。
その澄ました顔を暴きたい。
全部溶かして、グチャグチャにしてみたい。
『諸伏を見てるとドロドロに甘やかしたくなる』
俺がそう言うと諸伏は身体をビクッと跳ねさせた。
そして俺を突き飛ばし、走っていく。
『…諸伏』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もん（mon）(プロフ) - Excuse meさん» すみません！友達が使いたいと言っているのでこちらの作品はご遠慮ください…>_< (2023年1月31日 13時) (
レス) id: 1f4439cdc8 (このIDを非表示/違反報告)
Excuse me(プロフ) - pixivで書いてもよろしいでしょうか？主人公の名前、タイトル変えます (2023年1月31日 12時) (レス) id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
山さん - 好きぇぇぇぇぇぇえす！！！！！高明さん可愛いひろ可愛いみんな可愛いご馳走様です更新楽しみにしています（（ (2023年1月27日 14時) (レス) id: df5dd681a2 (このIDを非表示/違反報告)
kanayamamoto112(プロフ) - はじめまして。面白いです。主人公君と諸伏警部の絡み最高です。主人公君と長野県警組の絡み面白いです。 (2023年1月13日 16時) (レス) id: 763c9aa7d5 (このIDを非表示/違反報告)
深夜 - 絵は自分で書いたのですか? この主人公のCVは島崎信長さんかな？ (2023年1月12日 19時) (レス) @page1 id: 880b7bddc6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もん（mon）
| 作成日時：2023年1月3日 10時
