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疲れた身体には君 ページ28

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ああ、もうこんな時間。
バイト終わりの、真っ暗な空。静かな道。

この季節はどうも寂しい気持ちになりやすい。
バイト先では、次のお休みの予定を楽しそうに話している高校生。付き合っているのかは知らないけれど、確かにお互い好意を抱いていることはほとんど関わらないわたしから見てもわかる。
友達からは最近出来た新しい彼氏との話。
テレビをつければ恋愛ドラマ。映画館に行けば切ない恋物語。
まるで世間が、わたしにばかり寂しい奴だなと言ってきているみたいで。

こんな風に一人、イヤホンをつけて夜道を歩いていれば嫌でも人肌が恋しくなる。



「会いたいなぁ、」



ふいに口から出た言葉に自分でも驚く。
思い浮かべていたのは、高校の時の同級生。
あれ?別に恋愛感情を抱いていた訳では無かったはず。
同じ委員会で、割と仲は良くて、優しくて、わたしの我が儘に付き合ってくれて、背が高くて、よく笑って、ダメなことがあればちゃんと怒ってくれたあの人。
思い出してしまえば一瞬だった。

あかさくんに会いたい。

一度溢れてしまった気持ちはもう抑えてはおけなかった。
通知の溜まったLINEを開いて彼の名前を探す。
「あかさくん」
メッセージを打ちかけて、手を止める。
もし迷惑だったら?明日になって後悔しない?
画面を見つめたまま、考えたまま、歩く。



「あれ、A?」



幻聴かと思った。ずっと求めていた人の声が、すぐそばに聞こえたから。

顔を上げると、あの優しいあかさくんの顔があった。
思い出の中よりもずっと、優しい顔。

気付いたら抱きついていた。

懐かしい匂いがした。
どうしたの、と慌てながらも、頭を撫でてくれた。


好きだと、思った。



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更新遅くなってごめんなさい寝てました

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設定タグ:オリジナル , 小説 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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さくらうめ - おりさん» すごいミラクルが起こりました…私の好きな人…よく京都に行っています…(o^^o)…是非お友達になりたいです! (2018年10月15日 2時) (レス) id: e23b3d6363 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - えぬえぬさん» わあぁコメントありがとうございます...(;-;)一番最初の話、私も書きながらきゅんとしてしまったのでそう言っていただけて嬉しいです笑 自分のペースで、ってすごく大事にしているのでそう言っていただけるのありがたいです。頑張ります* (2018年8月23日 22時) (レス) id: b57afa9fcd (このIDを非表示/違反報告)
えぬえぬ - 題名に惹かれて来たのですが、話の内容も濃く面白くてハマりました。個人的に一番最初のお話が好きです、他のお話も面白いのですが…(笑)これからも自分のペースで更新頑張ってください!応援しています (2018年8月23日 19時) (レス) id: 6c842c63e8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おり | 作成日時:2018年5月27日 19時

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