ごめんなさい ページ17
.
お腹痛い。
これで何度目かな。生まれて12年目に初めて生理を体験してから数年経つけど、この痛みにはずっと慣れない。
わたしは大分生理が重い方らしく、生理前も生理中もイライラ、頭痛はひどいし眠れないしお腹が痛くて薬を飲まないと動くのも一苦労。
そんなものに毎月毎月耐えてたら、やっぱり何ヵ月かに一度は本当に我慢できない月が来てしまう。
「A、大丈夫？」
「...全然。」
「何か、して欲しいことあったら言ってね。」
「はい」
ああ。あかさがわたしの事を心配してくれているのに、ダメだと心ではわかっているのに口に出るのは冷たい台詞。
あかさってそうやって心配してるけど本当はこんなわたし見ていられないんじゃない？嫌いになりそうでしょ。
ただの勝手な想像。
でも疲れているわたしは、本当にあかさはわたしの事を嫌いになった、そんな風に考えてしまう。
そんなこと考え出したらきりがない。
そもそもあかさってわたしの事見てないんじゃないの。告白したのだって、デートプラン決めるのだって、ドキドキしてるのだって、いつもわたしばかりな気がする。
あかさはきっと他の女の子にもこういう風に優しくしてるんだ。
わたしのこと嫌いにならないで欲しい。誰よりも好きでいて欲しい。だったらもっと愛想よくすればいいけどそんなの誰だってできるもの。
もう嫌だ。こんな風にあかさに責任転嫁して、あかさが悪いと思い込もうとする自分が本当に嫌だ。ちゃんとわかっている。でも素直になれない。こんなわたしが、あかさのことを好きでいていいわけがない。
「ねえ」
「どうした？」
「こんなわたし、見苦しいよね、ごめんね」
「え？」
「わたしのことなんて、捨てていいよ」
「A？」
「あかさに似合うかわいい女の子は沢山いるし、その子達はきっとわたしよりあかさに幸せをくれるよ。」
「A」
「ごめん縛り付けて！もう飽き飽きだよね！いいの、ばいばい」
言っていると涙が出てくる。何を言っているんだろう、何がしたくてこんなことしてるの？勝手に自己完結させてばいばいなんて、最低。
「A。」
抱き締められる。
あかさの匂い。
「俺にはわからない。いきなりそんなこと言われても、は？としかならない」
「俺怒ってるよ。でも、こういうことしてるじゃん。俺はAのこと大好きだよ。安心して」
ドキドキしてる、あかさの心臓。
感じる、あかさの体温。
ああごめん、好きだ。
大好きだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらうめ - おりさん» すごいミラクルが起こりました…私の好きな人…よく京都に行っています…(o^^o)…是非お友達になりたいです！ (2018年10月15日 2時) (
レス) id: e23b3d6363 (このIDを非表示/違反報告)
おり(プロフ) - えぬえぬさん» わあぁコメントありがとうございます...(;-;)一番最初の話、私も書きながらきゅんとしてしまったのでそう言っていただけて嬉しいです笑 自分のペースで、ってすごく大事にしているのでそう言っていただけるのありがたいです。頑張ります* (2018年8月23日 22時) (レス) id: b57afa9fcd (このIDを非表示/違反報告)
えぬえぬ - 題名に惹かれて来たのですが、話の内容も濃く面白くてハマりました。個人的に一番最初のお話が好きです、他のお話も面白いのですが…（笑）これからも自分のペースで更新頑張ってください！応援しています (2018年8月23日 19時) (レス) id: 6c842c63e8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おり | 作成日時：2018年5月27日 19時
