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｢おいA消しゴム貸せ｣
｢こめん今日わたしも忘れた…笑｣
｢は？なめてんのかクソババア｣
｢チンピラかよ｣
前に間山、その横にA。
Aとは隣にこそなれなかったものの、かなりいい席だと思っていた。
……2人がこんなに仲良くなるなんて思ってなかったから。
｢大倉｣
｢ない｣
｢あ、わたしあるよ〜？｣
そしてもう一つのストレスが俺の隣の宇崎さん。
最近Aに付きまとっているうちの1人で、悪い人ではないけど生理的に受け付けないタイプの人。
悪いことをしてるわけじゃないのになんかイライラさせられるなんて、自分のクズさは充分承知だけど。
宇崎さんは可愛らしいピンクのウサギの筆箱からまたピンクの消しゴムを取り出して、ヘラヘラ笑っている間山の手に握らせた。
｢はい、間山くん｣
｢おう、さんきゅ｣
どちらからともなく複雑顔をしたAと目を合わせる。
どうやらAも、宇崎さんは苦手な様だった。
｢いやだって、わたしに付きまとってんの明らかに大倉目当てなんだもん｣
昼休み中、宿題教えてと間山の椅子の向きを変えて座ったAが、露骨に嫌そうな顔をして言った。
｢やっぱそうなん？ ちょっとあざといねんな一つ一つが｣
｢それな！ あと天然なのかもしれないけど急に話に割り込んできたりトンチンカンな事言って場白けさせたりするのほんとにやめてほしい｣
｢間山はなんか言ってんの？｣
｢前にあいつちょっとよくわかんねぇって言ってた｣
間山は基本いいやつだから、あんなチンピラみたいなこと言っててもよっぽどのことがない限りは人の悪口を言わない。
俺がイライラして人の悪口を間山にぶちまけたところで、勝手に笑い話に変えて楽しそうにしてる。
俺は間山のそういうところが好きで付きまとってるんだけど。
Aは逆に悪口を言ったらのってくるタイプだから、それはそれで発散できて楽しい。
｢……ってこれ完全に陰口だよね、やめよ｣
そしてこっちも基本いい人だから、たまにそんなことをさらっと言えない自分が嫌になる。
｢間違っても悪い人ではないんやけどな…｣
｢もうその話終わりって言ったでしょ｣
｢嫌いなんじゃなくてにが｣
｢殴るよ？｣
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作者名：吉田マーメイド | 作成日時：2018年6月12日 23時
