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わざとらしくリップ音をたてた艶やかな渋谷先生が、久しぶりに間近にいるっていうことで震えが止まらない。
極度の興奮と緊張がわたしの心臓を掴む。
｢先生は、わたしが大倉と家庭科室で話してた時、全部聞いてたんですか｣
｢全部ではないけど、だいたいは聞いてた。｣
｢バラされちゃうかもしれないんですよ、このこと｣
｢それはないな。｣
あっさり断言してしまった先生は、わたしの顎から手を離して仁王立ちする。
｢だって、大倉が俺とAのことをバラすってことは、俺はそうやけどAにも直接被害がかかるやん？ そしたらあいつの言うてること矛盾してんで。Aを守るだかなんだか言って、結局被害受けてんのAやからね。｣
渋谷先生は、いたずらっぽく笑う。
｢だから、あいつのはただの脅し。なーんも気にすることないんやで？ Aちゃん｣
彼からにじみ出る"そんなことにも気づかないのか感"は少し無視させてもらうことにする。
｢あと、村上先生がこのこと知ってたんですけど｣
｢あーそれは俺が言った。｣
｢なんで？｣
｢あいつは知っておいてくれた方が便利。｣
なんじゃそりゃ。
でも、渋谷先生のことだからきっと何か考えがあって村上先生に話したはず。
｢大丈夫やって。あれあー見えても結構義理堅いから。
てか何言われたん？笑｣
｢…大倉がわたしのこと好きだみたいな｣
｢そらそうやろあんなん絶対そうやん｣
｢それはありえないんですよ。…わたし、大倉に振られてるんで。｣
渋谷先生にさらっと同意されてしまったせいか、わたしが今まで言ってこなかった言葉が、喉から滑り落ちてしまった。
渋谷先生は呆気に取られたように口をポカーンと開けて、しばらく何も言ってくれない。
自分でも当時はなかなか高望みをしていたと思うけど、そんなに驚くことかな…。
｢＿＿あいつって、アホなん？｣
やっと喋ったと思ったらこれだった。
でも、渋谷先生はいたって真面目な顔して言ってくるから、全ての思考を放棄して質問の返答に全うすることにした。
｢アホ…わたしよりはできますよ｣
｢いやそれは知ってんねん｣
1秒の間もなく切られてしまった。
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吉田マーメイド(プロフ) - ガトーショコラさん» 嬉しいです、ありがとうございます！ 更新頑張ります！！ (2018年2月24日 21時) (
レス) id: 9ba4e3874c (このIDを非表示/違反報告)
ガトーショコラ - 応援してます！がんばってください！ (2018年2月21日 7時) (レス) id: f84bf72a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田マーメイド | 作成日時：2018年1月31日 21時
