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｢あれ、Aその首どうしたん？｣
そう言って信ちゃんが自分の首筋を指さしながら聞いたのは、わたしの首筋に不自然に貼り付けた絆創膏。
その瞬間犯人がおっきく目を見開いてニヤけるから、一瞬睨みつけて牽制する。
｢いやぁそれがうちインコ飼ってるんですけど餌振り回して遊んでたら首思いっきり突っつかれてェ｣
｢なかなか猟奇的なインコやな…笑｣
その猟奇的なインコこそが！！あなたとお笑いコンビを組んでるおチビさんなんですけど！！
｢てかほんまに課題やってる？ ノート真っ白やんけ笑｣
さりげなく話題を変えた渋谷先生が、わたしの課題集を覗き込んだ。
なんだろうこの違和感って思ったら、そうだ渋谷先生が正面から覗き込んでるからじゃん。
いつもは後ろからだから。
｢違うんですよ、宿題やろうとした矢先に2人が来たんです｣
｢ほんまかぁ？｣
｢なんで信ちゃんに疑われなきゃいけないの｣
八重歯をにょっきり出して楽しそうに笑う信ちゃんは、わたしの宿題を見るやいなや3秒でうわぁっと顔をしかめた。
｢俺これ無理。何言ってんのか全然わかれへん。なんやねんＣＨ3ＣＯＯ-って…｣
｢えっとなんだっけ…あの…｣
｢酢酸イオン｣
｢そうそれ！｣
｢そうそれちゃうねん｣
冷静に言われたから可愛こぶって舌ペロしてみる。
渋谷先生の笑いながらのデコピンは甘んじて受け入れた。
｢まあじゃあ あとはすばるに聞くなりなんなりして頑張ってな｣
あっさりと立ち上がった信ちゃんが教室を出ていって、わたしと渋谷先生の二人きり。
｢気ィ使われたかな｣
｢信ちゃんにですか？｣
渋谷先生はふんっと鼻で笑うと、椅子に後ろ向きで跨りながらわたしの机に肘をつく。
｢ていうか渋谷先生、化学もできるんですね｣
｢当たり前やろ、高校生レベルなら理数全般は余裕やで｣
｢えーなにそれ そんなの言ってみたい｣
｢勉強すればそんなんいくらでも言えるよ？｣
渋谷先生の出身高校は、うちの高校と比べ物にならない偏差値だって話を思い出して黙るしかない。
｢……インコなんていつ買ったの｣
｢えっとぉ……秋ぐらいですかね？ 酉年生まれなんですよその子｣
｢なんでお前俺の歳知ってんねん…｣
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吉田マーメイド(プロフ) - ガトーショコラさん» 嬉しいです、ありがとうございます！ 更新頑張ります！！ (2018年2月24日 21時) (
レス) id: 9ba4e3874c (このIDを非表示/違反報告)
ガトーショコラ - 応援してます！がんばってください！ (2018年2月21日 7時) (レス) id: f84bf72a85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吉田マーメイド | 作成日時：2018年1月31日 21時
