かくれんぼ【虎杖悠仁】 ページ48
.
「 …最後の思い出作り? 」
「 そう。A、もうちょっとしたら京都行くんだろ?会えなくなる前に。とおもってさ。 」
休日に急に呼び出されたと思えばそんなこと。どこか食べ行こうぜとか言われるのかな。
そう思って悠仁が行く道を後ろからついていった。
「 …は?山? 」
「 おう。懐かしいだろ、森林公園。かくれんぼしようぜ。 」
「 ちょっ、とまって。懐かしいっていつの話してるの? 」
たしかに私と悠仁はここで大人数のかくれんぼをして出会った。どうしても見つかりたくなくて悠仁に秘密の場所教えてもらったんだっけか。
自然と口元に笑みが溢れ、うーんと考えていた悠仁の方を向いた。
「 ま、いっか。かくれんぼ悪くないね。やろうよ。 」
「 お、乗り気になってくれてよかった〜。俺、鬼でもいい? 」
「 どーぞ。 」
そう言えば悠仁は、公園まで走って一番大きな木の幹に顔と腕をつけ数字を数え始めた。
.
「 あ、やっぱりここ、まだ潰されてない。 」
悠仁が数を数え終わるまでに、なんとか遠くまできて"秘密の場所"を見つけた。
体はまだ小さかったから大きく感じた木の根本も意外とこじんまりしていて、私が入れば十分くらいだった。
「 …ふふっ、悠仁絶対忘れてるだろうな。 」
「 …みーつけた。 」
「 …え、 」
10分も経っていないほど、足音が聞こえたと思えば悠仁の声と覗き込まれる私。
驚いて間抜けな声しか出なかった。
「 なんで、ここ。 」
「 俺が教えたところだからに決まってるだろ。Aはここしか来ないだろうと思ってな。 」
ニカッと笑って、出ようとする私に腕を差し伸べてくれた。
そういえば、教えてくれた時もこんな感じだったっけ。
すぐに終わってしまったかくれんぼに、悠仁はつまらなさそうな顔をするかと思えばそうでもない。
「 こんなことに付き合ってくれてありがとうな。 」
「 !なんで、そんなこというの。 」
今までの思い出と近くにいてくれた悠仁とのお別れに、涙が出てきた。
感謝のたったその一言で気持ちが抑えきれなくなった。
「 おいおい、子供みたく泣くなよ。 」
「 だっで、ゆうじへんなこというがら。 」
「 どうせ、また会えるよ。会えなくなってもまた見つけてやる、Aのこと。 」
太陽のようなその笑顔、二度目の一目惚れだ。
.
222人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麦芽糖(プロフ) - 音朱(おとあ)さん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださる読者様がいて嬉しい限りです!今後もお楽しみください! (2021年2月13日 16時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
音朱(おとあ)(プロフ) - 初コメ失礼します…!狗巻君の梅を読んで「そういうこと!?天才か!?」と思い以前お気に入りしましたが、梅と同じくらいドストライクの物がどんどん更新されて凄く嬉しいし、いつも楽しみに見てます!これからも更新頑張ってください&よろしくお願いします…! (2021年2月13日 14時) (レス) id: b1bca41b54 (このIDを非表示/違反報告)
麦芽糖(プロフ) - おみさん» ありがとうございます!以前書いていて消してしまったのですが、私の中であの場面が一応最終話の予定でした汗 また機会があれば一作品にして残そうと思います!貴重なご意見ありがとうございます。 (2021年2月13日 10時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
おみ - 孕み愛の、長編を読んでみたいです!! (2021年2月13日 0時) (レス) id: 1d8ea5bb37 (このIDを非表示/違反報告)
麦芽糖(プロフ) - マリイさん» 頂いたリクエスト、私の文章力ではマリイ様のご期待通りにできる自信はありません。申し訳ありませんが、お受けすることはできません。申し訳ありません! (2021年2月12日 22時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麦芽糖 x他1人 | 作成日時:2021年2月10日 13時