【呪術廻戦】甘い呪いで惑わせて【短編集】

レジンフラワー【釘崎野薔薇】 ページ36

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「 あ、A。手袋はめて何してんの？ 」




私の自室の扉を勝手に開けてひょっこり顔を出してきたのは同期の野薔薇。
晴れたらデート行こうと言われていたが、生憎の雨。


行く気失せた、やめやめ。と朝から電話がかかってきて今日の予定はナシになってたはずだった。
けれど、私を呼ぶ声は野薔薇。もう昼になったかと時計を見るが十時前といったところ。




「 もー、野薔薇ってば、入る時ノックしてっていつも言ってるでしょ。 」

「 ごめんごめん忘れてた。 」



この通り、といつものように両手を合わせられれば見逃さざるを得ない。
野薔薇に声をかけられ、手が止まったいた私は指摘されてはっとなる。



「 あ、そうだった。これね、レジンフラワーっていうの綺麗でしょ？ 」



作っている最中ではなく、すでに硬化し終えたものを野薔薇に見せてあげた。
中に入っているものはドライフラワーで我ながらに上手く行ったと自慢したくなった。


だけど、野薔薇はそれよりもゴミ箱の近くに置かれた方のレジンフラワーを見て不思議そうな顔をした。





「 あっちのは？ 」

「 ん？ 」








「 あぁ、あれ。あれ失敗作なの。もう変な色になってきちゃってるでしょ？ 」




そう言えば野薔薇は、それを手に取って光に当てたりじっと見つめたりしていた。







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