君の涙で感電死【五条悟】 ページ31
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ひんやりとした大理石の床を裸足で歩く。
電気をつけたいがどこにスイッチがあるかわからず、まっくらなまま壁に手を添えて歩く。
広いお部屋の奥には、トウキョウの街が一望できる窓がある。
「 ここじゃ退屈しないでしょ、ね? 」
初めて此処にきた時に、男が言っていたことを思い出した。
「 悪くないけど、誘拐みたいなもんじゃん…。 」
はあ、とため息をついて、着せられている薄手のワンピースの裾を握る。
「 あれ、やっぱり下界が恋しい? 」
「 ! 」
「 おかえり、でしょ。 」
「 おかえりなさい、ご、ゴジョウ?さん、? 」
「 ただいまあっ、A。よくできました! 」
部屋のドアが開く音はしなかったし、ましてやら玄関の鍵が施錠されたりする音もなかった。
その筈なのに、部屋に急に立っていたゴジョウさん。
そして馴れ馴れしく抱きつかれる。
誘拐されて二週間と三日。この男と顔を合わせるたのは今日で五回目。
まだこの男の素性を知らない私は警戒しながら、言葉を吐く。
「 そういえばね、今日君の彼氏だとか名乗る奴が僕に突っかかってきてさあ。
すっごい邪魔だったんだよねぇ。いる?彼奴。 」
「 …なにか、手を出したの? 」
まさか、と両手を上げひょうきんな顔で笑った。
「 僕はナイスルッキングガイさ、君の許可なく周りに手出ししないよ。 」
「 そ、っか。 」
「 あ、でも、嘘はよくないよね。ホントのこと聞きたい? 」
窓に手を触れている私の手にゴジョウさんの手は重ねられる。熱を持っていて暑い。
誘拐犯のくせに。ドキドキさせて、本当に何がしたいの。
ぐっと涙を堪える。
「 …聞かせて、ください。 」
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麦芽糖(プロフ) - 音朱(おとあ)さん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださる読者様がいて嬉しい限りです!今後もお楽しみください! (2021年2月13日 16時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
音朱(おとあ)(プロフ) - 初コメ失礼します…!狗巻君の梅を読んで「そういうこと!?天才か!?」と思い以前お気に入りしましたが、梅と同じくらいドストライクの物がどんどん更新されて凄く嬉しいし、いつも楽しみに見てます!これからも更新頑張ってください&よろしくお願いします…! (2021年2月13日 14時) (レス) id: b1bca41b54 (このIDを非表示/違反報告)
麦芽糖(プロフ) - おみさん» ありがとうございます!以前書いていて消してしまったのですが、私の中であの場面が一応最終話の予定でした汗 また機会があれば一作品にして残そうと思います!貴重なご意見ありがとうございます。 (2021年2月13日 10時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
おみ - 孕み愛の、長編を読んでみたいです!! (2021年2月13日 0時) (レス) id: 1d8ea5bb37 (このIDを非表示/違反報告)
麦芽糖(プロフ) - マリイさん» 頂いたリクエスト、私の文章力ではマリイ様のご期待通りにできる自信はありません。申し訳ありませんが、お受けすることはできません。申し訳ありません! (2021年2月12日 22時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦芽糖 x他1人 | 作成日時:2021年2月10日 13時