. ページ20
.
「 は? 」
「 え、あ、あの。私の勘違いでしたらすみません。どこかでお会いしたこと、ありますか? 」
すらりと伸びた身長に、華奢な身体。一般人として人生を歩んでいるとわかるセーラー服と染められた髪。
眉間に寄せられた皺と私のことを不審者として見るような目は、如何にも彼女の口が真実を言っていると物語っていた。
「 …私は、加茂家次期当主となる男。加茂憲紀。そう言っても思い出せないか? 」
「 …ごめん、なさい。人違いではありませんか? 」
申し訳なさそうにして頭を下げたA。
だが、彼女の安否が確認でき、一目見れただけでは私の気はおさまらない。
「 覚えていないのであれば仕方ない。これから刻もう、私と一緒に。 」
「 な、何を仰ってるんですか。私にはッ 」
パンッ
乾いた音が響く。
京都の雑踏に掻き消さられ、この状況が飲み込めていないのはA一人だった。
「 ッはあ、ッは、 」
上手く呼吸ができていないようだ。
目の前に惨めに蹲るAは、私に叩かれた頬を押さえている。
「 もう一度言う、私と一緒に人生を歩もう。君の人生は私と会ったあの瞬間から決まっていたんだよ。 」
にこりと微笑んであげた。
これで私への恐怖は掻き消されただろう。
「 再会を祝して、まずはハグから始めようか。 」
.
貴方の骨髄になりたい【加茂憲紀】→←再会を祝して【加茂憲紀】
222人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麦芽糖(プロフ) - 音朱(おとあ)さん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださる読者様がいて嬉しい限りです!今後もお楽しみください! (2021年2月13日 16時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
音朱(おとあ)(プロフ) - 初コメ失礼します…!狗巻君の梅を読んで「そういうこと!?天才か!?」と思い以前お気に入りしましたが、梅と同じくらいドストライクの物がどんどん更新されて凄く嬉しいし、いつも楽しみに見てます!これからも更新頑張ってください&よろしくお願いします…! (2021年2月13日 14時) (レス) id: b1bca41b54 (このIDを非表示/違反報告)
麦芽糖(プロフ) - おみさん» ありがとうございます!以前書いていて消してしまったのですが、私の中であの場面が一応最終話の予定でした汗 また機会があれば一作品にして残そうと思います!貴重なご意見ありがとうございます。 (2021年2月13日 10時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
おみ - 孕み愛の、長編を読んでみたいです!! (2021年2月13日 0時) (レス) id: 1d8ea5bb37 (このIDを非表示/違反報告)
麦芽糖(プロフ) - マリイさん» 頂いたリクエスト、私の文章力ではマリイ様のご期待通りにできる自信はありません。申し訳ありませんが、お受けすることはできません。申し訳ありません! (2021年2月12日 22時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:麦芽糖 x他1人 | 作成日時:2021年2月10日 13時