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道連れ【夏油傑】 ページ14

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「 うっっわあ!ねえねえ夏油さん見て見てっ! 」

「 落ち着いて、Aちゃん。 」




真っ青な風景が広がる建物内を駆けていく私と保護者のような夏油さん。
私たちは今東京を離れ、二人で旅行中なのだ。

今日は一日目、ホテルへ行く前に念願の水族館へ。





「 ええ、夏油さんは水族館興奮しませんか? 」

「 私は来たことがあるからね。ほら、人にぶつかるよ。 」





入り口前に設置される大きなイルカの像の前で突っ立っていれば、夏油さんは私を優しく諭して手を取ってくれた。

付き合って間もない頃も、今現在も彼といるとドキドキが止まらない。






じりじりと暑いのは夏のせいでないとわかりきっている。






「 …君はなんでも楽しんでくれるし、君がいてくれるだけで私は自然に笑顔になれるよ。 」



ふっと笑って手を握り返してくれた夏油さんのその笑顔は眩しくて、高校生になっても涙が出そうになってきた。
せっかく楽しいところへ来たのに。と。




「 ッありがとう。ね!来たことあるなら、案内してよ夏油さん! 」

「 もちろんだよ。でも、Aちゃん。はしゃぎすぎるのはダメだからね。 」


「 ふふっはーい。 」







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少し暗がりな室内の中で七色に光るクラゲや、行列を作ってあるくペンギン。
可愛らしい姿とは裏腹に意外とデカかったアザラシさん。

どれも見るもの全てに目を奪われてしまう。









そして今は、大きな水槽の前で二人立っていた。





「 …やっぱり迫力があるね。あの大きいやつの名前わかる? 」

「 えーっと、ジンベエザメでしたっけ? 」


「 そうそう、そうだね。 」



小さな魚を何匹も連れて、悠々と大きな水槽を泳ぐその姿は自由そのものだった。

自由とはかけ離れた夏油さん。
呪術師をやっている彼はいつ死 んでもおかしくない。たまたまオフがあって時間を作ってくれたからこんな旅に出れたものの。


彼は自由なんかじゃない。




だから、ジンベエザメがなんとなく羨ましかった。





「 …Aちゃん? 」

「 あ、ごめんなさい。何か言いました? 」




でも今は、今だけは忘れよう。
 





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麦芽糖(プロフ) - 舞香さん» ありがとうございます!更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2021年2月17日 9時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
舞香(プロフ) - め、めちゃくちゃ好きです……!こういうのを求めてました…!これからも頑張ってください、応援してます!! (2021年2月16日 21時) (レス) id: 26fd9ad117 (このIDを非表示/違反報告)
麦芽糖(プロフ) - yuunaさん» リクエストありがとうございます。また書けそうでしたら書きますので、しばらくはリクエスト停止させていただきます。いつも読んでくださりありがとうございます(^^) (2021年2月16日 19時) (レス) id: 590a187e25 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna(プロフ) - とても面白かったです!またリクエスト失礼します!高専五条がメンヘラで一般人夢主が文ストの太宰治みたいな性格で浮気性なのが見てみたいです!! (2021年2月16日 19時) (レス) id: a73b6209c2 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - ナナミンがメンヘラ見たいです (2021年2月15日 16時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麦芽糖 x他1人 | 作成日時:2021年2月15日 7時

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