いつでも俺らは

電話(fkzw side) ページ9

こないだ、寝てる翔太のところにかかってきた電話、舘さんが当たり前のように出ていたのに衝撃を受けた。2人でGPS交換してたり、合鍵をお互い持ってたり とまあ中々のもんだけどね。

舘さんが「ちょっと御手洗行ってくるね。」と席を外してまもなく、誰かのスマホが鳴った。見ると、机の上に置かれた舘さんの電話。どうしようか迷っているうちに、ディスプレイを見た翔太が出た。ん？デジャヴュ？

「もしもし、翔太。あぁ、雅美か。どうした？」「なんだ翔太か。涼太は？」今度は少し口調が荒めの女性。誰？と聞くと、涼太の母ちゃん と口パクが。

「涼太はトイレ。何か言っとく？」「オフの日あったら教えろって言っといて。渡辺家と海行くから。あ、そうだ。翔太のオフ今聞いといていい？」「俺が覚えてるわけないだろ。トイレから帰ったら涼太に連絡させる。」
どうやら会話は完結したようで、電話を切った。

それから5分ほどして、舘さんが帰ってきた。「ごめん、道迷ってた」とさ。彼らしいよね、ほんとに。
すかさず翔太が、「雅美が、オフ教えろって。いつもんとこ行くらしいから」と言うと、「ありがとね、電話でてくれて。」

言葉少なに通じ合う、27年来の幼なじみ。
阿部ちゃんみたいになりたくはないけど、気持ちは分かる。

幼なじみっていいよね。

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