終わらない雨の中で【影山飛雄】 (ページ6)

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抱きしめてページ6

じりりじりりと、目覚まし時計の音が鳴る

目を数回開けては閉じ

開けては閉じる

｢んぬん……｣

｢飛雄!!!起きなさい!!｣

｢んー…｣

勢いよく起き上がってしまった

いつぶりだろう母に寝起きに怒られるのは

…起きなければ

｢はよ、｣

｢はい、トースト｣

｢ん、｣

｢今日帰りは?｣

｢いつも通り｣

｢体操服、何枚いる?｣

｢3｣

｢ゆっくり食べるのもいいけど…あのー…たしかAちゃん?来てたからね｣

｢ん……………は?｣

なんで、Aが?

来てるって…今日は朝練あるぞ

あいつ、部活入ってないだろ?

……急ぐか

｢いってくる｣

｢いってらっしゃい｣

ガチャりと戸を開ければ

｢おはよう、飛雄｣

｢ほんとにきてた｣

｢きてますよー｣

｢…今日朝練あるぞ?｣

｢しってますー｣

｢じゃあ、なんで｣

｢なんとなく｣

なんでも、いいじゃんと言って

俺には眩しいくらいの笑顔を向けてきた

『A、』

『なに、兄さん』

『おれ、Aの好きな人わかっちゃった』

『は?なんで!!』

『金田一から聞いた～』

『あいっつ!!』

『というわけで、飛雄ちゃんの家を教えてあげよう!!』

『いいってば!!』

『いいの?じゃあ、明日俺と一緒に登校しようね』

『…わかったよ』

兄さんと登校するとろくなことがない

彼女に間違われて刺されそうになったこととか…

正直とても嫌だ…