無気力少女と未来の海賊王 (ページ20)

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十九話ページ20

花畑に鉢合わせしてからAは適度に酒場に顔を出すようにした。何故ならあの後、ルフィとウタに酒場や海に足を向けていないと悟られたからだ

こう言うのは悟られない程度が丁度いいと確か本にも書いてあった

「お！A、今日来たのか」

「こんにちは、シャンクス」

珍しい事に今日はシャンクス一人のようだ
他の赤髪海賊団はどうしたのだろうか？とAがあたりを見回すとそれに気付いたシャンクスが答えた

「暫く、航海に出ようと思ってな」

「へぇ、やっと迷惑なのわかったの？」

「手厳しいな、Aは。ルフィなら連れてけ！って騒ぐところだぞ」

確かに…ルフィなら言いかねない。むしろ言ったのかもしれない

Aは表情には出さないものの少し寂しくなると思った。だって何だかんだでこの村に馴染んでたもの

「ふーん。静かな日が続きそうだね」

「ハハハ！航海と言っても暫くだ。うちの連中も冒険が生き甲斐みたいなもんだからな」

「暫く…ってことはまた戻ってくるんだ」

Aはシャンクスが戻ってくると聞くとまた騒がしくなるねと返す。その表情は満更でもない感じでAの中でシャンクスたちに親しみを覚えた証拠でもある

「冒険の話なら帰ってきたらしてやるから楽しみにしていろよ」

「うん、それは楽しみかも」

純粋にシャンクスたちから聞かされた冒険の話は好きだった。ルフィが海賊になりたいとまで言わせることはある

「そうだ、忘れるとこだった。ウタがAに明日は港に来てくれと伝えて欲しいと頼まれてたんだ」

「ウタが…？」

Aにとってそれは衝撃の一言だった
ウタがAにそう言うほど親密な関係ではないと感じていた。

ルフィではなく何故、私なのだろうか

「珍しく張り切ってたからな…来てくれよ？」

「うん？わかった。明日港に見送りに行くね」

思えば、ウタも赤髪海賊団の一員だから
暫くのお別れか…

Aはその事実にどこかホッとした気がした
心のどこかでウタに対して苦手意識があったのかもしれない

事実、ウタがAに何かしたことなんてなかったのだから

これを機に明日は気持ち良く見送ろう
そうなる事を願うまで

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シャンクスはサボりです。
あとでベックマンあたりに怒られます。たぶん