幕府側の人斬り抜刀斎〜罪被せの懺悔〜【るろうに剣心】【夢絵】

10 ページ11

.


Aside





どんなに悲しいときも、どんなに苦しいときも、涙は出なかったのに。




なのにこんな些細な事で泣いてしまうなんて…


驚きと同時に恥ずかしさが込み上げてくる



これが平和ボケって、やつなんだろうか。





私なんかが、私みたいな大罪人が、


こんな世に生きていていいのか

こんな幸せな世に生きていていいのか。





…いい訳ない、


早く彼を見つけて…私は…………





「__オイ、取り敢えずこれは持ってくぞ」




斎藤一はいきなり泣き出した私を煩わしく感じたのであろう


取り調べはまた後でやる、そう言って



私が此処にいる原因となった刀を手に、

部屋を出ていこうとする。






『…それは困ります、

その刀は "まだ" 必要なんです』


私は彼が持つ自身の刀を掴む。





「"まだ" だと…？


あの世を生きたお前が、

まだ血を流し足りないとでも言うのか」


彼は蔑むようにフッと鼻で笑う




私は刀を掴む手に、力をこめる。



『彼を見つけるまでは、刀は譲れない…



彼を見つけるまでは、

その戒めの刀の傍らで…生きていかなくてはならないんです』





それが私の懺悔。




.

夢主イメージ画。（閲覧注意です！！）→←09 斎藤side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す