#294 ページ45
距離感がバグっているのは毎度のことにしても。頬に軽く触れるキスがエスカレートしてきて、耳元に響く彼の重低音。
「好き、」
『…うん、』
「好き、好き…好きすぎて、もっともっと欲しい」
彼の瞳が、私の唇を捕らえた。舌なめずりする湿った唇がいやらしく、早く欲しい。私はそんな気持ちでいっぱいだったのに。
彼は私の逸る気持ちを弄ぶかのように、じらしている。
私の体に触れてはくるのに、触れさせてはくれない。意地悪な悪魔。＿＿＿＿
「……っキスしたい？」
『…したい。駄目？』
「…(人1)から、そんなこと言われたのは初めてだ。いつも拒んできたくせに。俺はそういう都合のいい男にはならないよ」
そんなこと言われてもキスがしたい。この気持ちに支配されているかのようにテヒョンの隙をついて顔を近づけてみたがすぐに交わされて、項垂れる。身長差が大分ネックだ。
意地になって、それでも諦めない私は自分自身何故そこまでムキになっているか分からなかったが無性に彼の愛を触れて確かめたかったのかもしれない。
きっとこの先には一生抜け出せない沼があると知りつつも。
『…もう、っ！……知らない』
「、…っ(人1)、」
『…っ！！』
興味本位で片足突っ込んでみた私に後悔はない。彼の手を解いた瞬間、吸い込まれるように彼の顔が近づいてきて。反射的に唇がぶつかった。
次第に虚ろになっていく瞳は彼の吐息、彼の熱を求め続ける。触れた唇は、待ってましたと言わんばかりに交じり合うと止まらなかった。
『んっ…ん、んあ』
全身を熱くさせるキスが頬を赤く染めて。不意に零れる甘い声が恥ずかしい。
でも脳内を彼に支配されている私に離れるという選択はなくて彼の舌に心の奥にハマっていくんだ。
「…はぁ。…っ、(人1)携帯鳴ってるよ」
『……っあ。……戻らないと』
腰が覚束なくなって、フラフラ状態。テヒョンにもたれかかったまま。携帯をポケットに戻した私。それでも離れたくなくて、彼を見上げたまま。『ごめんね』と呟くと。彼のキスが降ってきた。
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chay(プロフ) - エリサさん» コメントありがとうございます。パスワードを外しましたよで、是非ご覧なって見てください。ありがとうございます。 (2022年1月21日 14時) (
レス) id: 78cfebea7b (このIDを非表示/違反報告)
エリサ(プロフ) - ものすごい物語に出会ってしまったと深夜にも関わらず、一気に読みました！面白かったです。ぜひ続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2022年1月19日 2時) (レス) id: 3441eb251e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chay | 作成日時：2022年1月4日 8時
