#270 ページ21
「……ありがとう。…生きててくれて」
『……っ、うん』
消えそうな、ありがとう。が聞こえた。触れた体が本当に冷たくて強く強く抱きしめた。(人1)が嫌がるぐらい、拒まれるぐらい。
でも、(人1)は俺の体にぐったりと預けて。しんどそうだ。
「ジョングク君、こっちにお願い」
一刻も早く家に帰そう。そのまま(人1)を抱えて。社長さんの誘導の元、車へ運んだ。
広い車の後部座席、ここならゆっくりと体を休められるだろう。(人1)を抱えたまま横にするのだが、
俺の首から、いつまでたってもどかない腕。「(人1)？ほら、横になって」僅かながら体を俺の言葉に反応してくれてはいる。
痛くない程度に腕を剥がそうと試みるが、次は俺の服を掴んで離さない。
そんな一部始終を皆に見られては焦る俺を社長さんは力なく笑った。
「ジョングク君。一緒に乗っててもらってもいい？家まで送るわ」
「…すみません。」
「いいのよ、……あ、キムテヒョンさんは大丈夫だったのかしら。多分警察に事情聴取されてたけど、」
「……あ。……後で連絡してみます。」
未だに状況整理ができてないのは俺だけじゃないはず。誰しもが真っ先に疑問を持つ。何故ヒョンが居たのか＿＿＿＿
まさかヒョンが(人1)を誘い海に突き落とすはずはないし。
偶然にしても、あんな地元民でしか知らないような場所。到底たどり着けないと思う。
だとしたら、二人を呼び起こした運命？＿＿＿＿
見えない糸で繋がれていて、お互いが気付かぬうちに引き寄せている。なんてありもしないことを真剣に考えていた。
俺も疲れてるのかな。
「ごめんね、(人1)って普段からそうやって甘えない子なのに。きっとジョングク君は特別なのね」
「え、そうなんですか」
「今だから言うけどキムテヒョンさんと付き合っていた頃よりも、(人1)は楽しそうよ。」
いつの間にか精神安定剤の影響もあり俺の腕の中で眠りについていた(人1)。静かすぎて不安になるほど動かないから、たまに表情を確認して。
やっと血の気がでてきた頬にほっとした。
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chay(プロフ) - エリサさん» コメントありがとうございます。パスワードを外しましたよで、是非ご覧なって見てください。ありがとうございます。 (2022年1月21日 14時) (
レス) id: 78cfebea7b (このIDを非表示/違反報告)
エリサ(プロフ) - ものすごい物語に出会ってしまったと深夜にも関わらず、一気に読みました！面白かったです。ぜひ続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2022年1月19日 2時) (レス) id: 3441eb251e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chay | 作成日時：2022年1月4日 8時
