#269 ページ20
「……関係者の方？…いらっしゃいますか？」
「はい！……私は(人1)の保護者兼社長です。(人1)は？！」
「……命に別状はありません。少し海水を飲んだようですが、呼吸も落ち着いていますし。意識もはっきりとしています。このまま病院に搬送しましょうか？それとも家で安静にしておきますか？芸能人の方ですので、家に帰った方が安静できるかと思いますが、」
「……そうですか、連れて帰ります。本当にありがとうございました！」
救急隊に深く頭を下げた社長さんの横で俺もより深く頭を下げる。
よかった、本当によかった。＿＿＿＿全身の力が抜けていくかのように、そのまま地面に座り込む。そんな中、複数の(人1)の事務所の人間が救急車を取り囲んでいた。
(人1)の無事をこの目で確認したい。＿＿＿＿でも関係者でもない俺は一人蚊帳の外で。
ただ関係者ではある、あのマネージャーが手を貸そうとした時、勢いよく振り払ったあの社長の行動は目を見張るものがあった。
きっと、あいつの居場所はなくなる。それ相応のことをしたんだ、償うべきだ。例え(人1)が快く許したとしても、決して(人1)の傍には近寄らせない。
俺にそんな権利がないと主張されても。どんな手段を使ってでも追放してやる。
「…(人1)、元気になったらお説教だから。…いいわね」
『…ごめ、なさ』
濡れた体を構わずに抱きしめる社長さんの目に涙。その姿におい被さるように(人1)を慕うスタッフ達が涙ながらに寄り添っていた。
まだ歩き方が覚束無い、意識だって曖昧なのか。目の焦点も合ってないボロボロな彼女。俺の手に届く距離に現れた途端、涙が込み上げてきた。
「…っジョングク君、ごめんなさい。手を貸してくれる？」
その時、社長に掴まったまま塞ぎがちだった彼女の瞳が少しづつ俺を視界に映して。
苦しそうに顔を歪めては、ゆっくり伸びてきた両腕。感極まってそのまま俺の胸に閉じ込めた。
もう怖い思いなんて、させない＿＿＿＿
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chay(プロフ) - エリサさん» コメントありがとうございます。パスワードを外しましたよで、是非ご覧なって見てください。ありがとうございます。 (2022年1月21日 14時) (
レス) id: 78cfebea7b (このIDを非表示/違反報告)
エリサ(プロフ) - ものすごい物語に出会ってしまったと深夜にも関わらず、一気に読みました！面白かったです。ぜひ続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2022年1月19日 2時) (レス) id: 3441eb251e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chay | 作成日時：2022年1月4日 8時
