#262 ページ13
時間が時間がと煩いスタッフも居ないことだし、
少しばかり心の休息をとろう。
「…どうした？なんで公衆電話なの？」
【分からない。そこに公衆電話があったから】
「携帯は？あ、充電切れ？」
【持ってないよ。】
「…家に忘れたってこと？」
【ううん。…あんなの私の携帯じゃないから】
会話の流れがたんたんとして。言葉に感情がない。様子が可笑しいことには、すぐ気付いた。
「…なんかあったの？」
誰かに優しくできる余裕はない。でもこんな状態で他でもなく俺に電話してきたこと。更に俺の携帯番号を覚えてくれていた彼女にとって何か意味があるんじゃないかって、探りたくなった。
【…最後にテヒョンの声が聞きたくなった。】
「…え。」
【ごめんなさい…っ、電話しちゃダメだって分かってたのに。…声が、聞きたかった】
突然感情が荒ぶって、嗚咽し始める(人1)に危機感しか感じられなかった。
慌てて部屋から飛び出し携帯片手に冷静を装いつつ。スタッフ側には決して(人1)と話してると勘づかれないよう何食わぬ顔で会社を出た。
「今どこ？」
【分からない。…】
「何が見える？」
【キャンプ場って書いてある看板。でも古くてそれ以外分からない】
「どうやってそこまで行ったの？」
【…タクシーの運転手さんに。誰も来ない海に連れてってほしいってお願いしたら、ここにきた。穴場スポットだって。…テヒョン今度家族でおいでよ、ここだと本当に人居ないから。寛げるかも】
声が遠くなって、焦ったけど。耳をすませば。波の音が聞こえて。(人1)は俺に海の音を聞かせてくれたんだと気付いた。
「そうだね、でも場所が分からないから。もうちょっと具体的に教えてよ」
このまま電話を切ってはダメだ。(人1)にバレないようにタクシーに乗り込んで。運転手にこれまでの情報を大まかに説明した後、一刻も早く車を出してもらった。
誰も寄せ付けない海、見知らぬ看板、＿＿＿＿(人1)の定かでもない情報に運転手も頭を悩まている。
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chay(プロフ) - エリサさん» コメントありがとうございます。パスワードを外しましたよで、是非ご覧なって見てください。ありがとうございます。 (2022年1月21日 14時) (
レス) id: 78cfebea7b (このIDを非表示/違反報告)
エリサ(プロフ) - ものすごい物語に出会ってしまったと深夜にも関わらず、一気に読みました！面白かったです。ぜひ続編のパスワードを教えて頂きたいです。 (2022年1月19日 2時) (レス) id: 3441eb251e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chay | 作成日時：2022年1月4日 8時
