#91 ページ42
『……はぁ。』
「…あのね。日本に帰れたからって子供みたいに駄々こねないで？しかも空港にはファンが居てくれてたのに笑い者よ、恥ずかしいったらないわ！｣
『だって！帰りたくなかったもん、！』
「わかった、わかった！次から極力日本での仕事も取るようにするから」
たった一週間、私は幸せな日々を過ごした。突然決まった帰国の目的はそもそも休暇ではなく、お仕事だったけど。
何も変わらない日本の空気がご飯が身体に沁み渡る。久しく帰ってなかっただけで、見るもの全てが新鮮で。改めて母国の心地良さを感じた。
本当に家族総出で引き止められたら、このまま日本に残る覚悟で居たのに。
父も母も弟も、笑顔で「行ってらっしゃい」＿＿＿＿
私の願望は儚く散った。
・
早速、韓国に帰ってきたら一仕事。SNSの更新とチェックに追われる。久しく付けてなかった携帯の電源を入れると、これまた止まらない通知の嵐だ。
殆どが仕事絡みのメッセージだろうとスルーしていくが、そんな中、とても重要なメッセージが何件か埋もれていた。
【ライブ何日来れそうなの？チケット取りたいから早めに教えてほしい】
【お疲れ様、何度もごめん。チケット完売するらしいから、行けそうかな？】
【メッセージ届いてない？…連絡ないとチケットどうしたらいいのか困るよ】
【ごめん、チケットとれなかった。寂しい】
ジョングク、ごめん。＿＿＿＿そういえば彼に日本に帰るって言ってなかった。
一方通行のメッセージに着信7件。どれほど悲しい思いをさせただろうか。
彼に、【ごめんね、日本に帰っててメッセージ見れなかった】と打って送る寸前、
これはいい機会かもしれない。そのままタップして消去。
彼の愛らしいアイコンも、名前も。この勢いで消してしまおうかと思ったけど、そこまで出来なかった。
まだ彼が私の返事を待っているとは思えないけど、最後に会った日、私に猛烈な告白をしてくれたこと、忘れられずにいる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 613人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆんぎそ(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！ドキドキが止まりません！！ (2021年12月4日 0時) (
レス) @page49 id: 0a10b6b6c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎそ(プロフ) - わー！続きが気になりますっ！ドキドキ✨✨ (2021年12月2日 1時) (レス) @page27 id: 4741346bef (このIDを非表示/違反報告)
chay(プロフ) - Runaさん» すみません抜けてました！公開します！ (2021年12月1日 15時) (レス) id: 78cfebea7b (このIDを非表示/違反報告)
Runa(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませてもらってます！60話が抜けていませんか？ (2021年12月1日 15時) (レス) @page10 id: 1e0f8b7b7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chay | 作成日時：2021年11月29日 21時
