#6 ページ7
朝は何故こうも早いのだろうか、
そして集合時間と待ち時間が比例してないのは何故だろうか。
アイドルを待たせてはいけない韓国側の配慮なのだろうが。そこまでのアイドルなのか、まだ理解できない。
「あ、」
『……おはようございます』
一人が居心地よかった楽屋に、突然やってきた緊張。昨日、私を見て笑ってた美女軍団の一人だ。軍団を総括してるような風貌で。名前は、ナンシーだと言っていたような。
せめて名前だけでも覚えて、あわよくば会話になればいいなと能天気に思っていた昨日の私。彼女を前にして小さくなる。
そして一気に空気が悪くなった。色んな意味で。
「……英語話せる？」
『頷』
韓国語よりは、話せる。内心ビクビクしながら美女の顔を伺うが到底仲良くできる次元ではなさそうだ。
大きな瞳は見るからに私を敵対視している。
「あなた、キムテヒョンに気に入られたからって調子に乗らないでね」
『……はい？』
「分かってないのかな、のっぺらぼう。彼は貴方が可哀想だから選んであげたのよ。分かる？」
『……』
「これだから頭の弱い日本人は。…貴方のような顔立ちも体格も家柄も普通な人が彼の優しさに漬け込んで有名になろうとしても無駄だってこと。皆言ってたわよ、場違い、キャスティングミスじゃないかって」
ネイティブ英語は中々聞き取れない。けれど単語一つ一つをなんとなく理解したから。自ずと言いたいたことは嫌でも伝わってきた。
『私は、邪魔だってこと？』
「……ははははっ！！！昨日貴方は誘われてないけど、皆でディナーに行ったの。その時キムテヒョンが言ってたわ。貴方のような人は可哀想に見えて仕方がないって。なんであの子を選んでしまったんだろうってさ」
ディズニー映画に出てくる悪者みたいに歪んだ笑顔。この人は何が言いたいんだろう。私が彼に好意を寄せているように見えたのだろうか。
それとも宣戦布告のつもり？＿＿＿＿＿＿何それ。笑っちゃう。
『あなたは何をしにここにきたの？』
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作者名：chay | 作成日時：2021年11月25日 5時
