Pseudo romance (ページ5)

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ま、眩しい＿＿＿＿__

一瞬目が眩んだけれど、次第に見えた景色は違和感しかない拍手に包まれていた。

ほら、笑わないと。思わぬ祝福モードに戸惑いながら、この雰囲気はカメラが回ってるからか、と気づかされたのは。画面外で露骨に避けられ、周りの冷ややかな視線を向けられている、マネージャーの姿を見つけたから。

勘違いしないで、とでも言いたいような嘲笑いに囲まれて。だらけた拍手は、やはり消えない差別を意図していた。

『立花、(人1)です、よろしくお願いします』

それでも仕事だ、息苦しいけれど精一杯覚えた韓国語を不格好ながら言えたことに達成感しかない。通訳さんも小声で「上手ですよ」と言ってくれた。

それだけでひと仕事終えた感覚。ふっと肩の重荷がとれた気がしたが、やはり色んな視線が気になって塞ぎ込む。すると、私の元に駆け足でやってきた男の人。

「僕が、君の相手役です」

通訳を通じて理解した言葉に『あ！』と漏れた声。ふふっと笑った男の人はその後「Vです。あー、キムテヒョンです」とカタコトの日本語で教えてくれた。

自然と私も笑顔になる。なんだろう、この人は不思議な魅力のある人だ。

「韓国語わかりますか？」

『……ごめんなさい、分からないです』

「だったら、僕が。あーーー、教えて、ます」

『…はい』

日本でも活躍していると通訳さんが言っていたように、わずかながら日本語は理解しているみたいで。

その辺は少し安心材料とはなったが。流石に会話という会話にはならない。

覚束無い日本語で、一生懸命。韓国語を教えてくれる彼の気持ちに少しでも答えようと。いざと言う時に用意してたメモ用紙に書いて繰り返す。

撮影の始まるギリギリまで彼はそのことに費やしてくれた。

「テヒョンー！」

「お、ジミン」

ほんの少し緊張感が和らいだ所で。再び現実に引き戻される。テヒョンさん以外のメンバーはカメラ内でも一切目も合わせてくれなかった。多分それは、紛れもなく私が日本人だからであって。

他の美女達は分け隔てなく話してる場所に私は独り。＿＿＿＿

逃げも隠れもできない、居場所もない。ただ立ち尽くしていた。

「(人1)」

『…っ、マネージャー』