検索窓
今日:4 hit、昨日:26 hit、合計:362,093 hit

#36 ページ37

「……お風呂入ってくる?あ、その変な意味じゃないよ」



『気にしないで、』



私の全身を見ないようにしてくれてるんだ。本当に彼は困らせたくなるほど優しいんだな。


結構お気に入りの部屋着だったのに、服は私の犠牲になったみたい。伸びて胸元まで、はだけてしまっている。



やっぱり気になるものなのかな。彼の視線は明らかに泳いでいる。話し方もたどたどしいというか。落ち着きがないというか。








「そうだ、お水。…(人1)水欲しがってたよね、 ほら飲みな」




『…いい。それよりもお酒ある?』




「…え、ああ、あるけど。でも大丈夫?」




『頂戴。平気だから…』



何もかも忘れたい。自暴自棄になってしまいたい、それほど私は、突然テンションが切り替わった。


どうしてだろう、とうとうおかしくなったのかも。それもこれも異常すぎる人達と関わりすぎたんだろう。


彼が飲めるの?と出してくれたワインを。初めて一気飲みしたのだが、脳みそがぶわっと熱くなって。涙が引いた、一瞬の恐怖もなくなった。



怖いもの知らずとは、こういうことなのだろうか。その後不気味なくらい私は一人で笑っていた。途中熱くなって脱いだ服を投げ捨てて、


さっき見た光景と同じだ、なんて。彼を見つめる。




____何を見てる?私の体?それとも、私の見えない心の奥?




じっと見ている、その視線の答えを私に教えてよ。








『ねぇ、どうして助けに来てくれたの?』



「……(人1)は強そうに見えて弱いから。絶対泣いてるって思ったんだ、」





わざと彼に近付いて。わざと彼の体に腕を回した。上半身タンクトップ一枚でも熱くて堪らないのは、彼が発してる熱を感じてるからだろうか。




顔を近づけて、彼の胸ぐらを握りしめる。





『……熱いよ。ここ、』



「……一緒に涼しくなろうか。脱がしてもいい?もっと楽になるよ」





否応なしに、彼はそっとタンクトップの紐を下ろして私にこう言った。「怖くないのか?」と。さっきまで散々な目にあったばかり。あいつらと同じことをして、俺を軽蔑しないかと心配しているようだ。



『……違うよ。私が触れたいの。貴方に。』







『きっと幸せな気持ちになれる、この胸の熱さを埋めたい』










すると、目の色が変わった彼。強引に抱きしめられては耳元に響く彼の声に私はどうかしていた。





「……俺のものになってよ」

#37→←#35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (151 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
649人がお気に入り
設定タグ:BTS , JK , キムテヒョン   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:chay | 作成日時:2021年11月25日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。