Pseudo romance (ページ11)

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#10 ページ11

「ジョングガ！」

「はい？」

「.......彼女を頼むぞ」

「.......はい」

集中したいのに魂は抜けているかのよう。経費削減、時間短縮で同じスタジオで行うこととなった。見たくもないのに見てしまうのは悪い癖。

あの二人の会話内容が無性に気になった。

こうならなければ、(人1)は俺だけを脳裏に焼き付けてくれていたはずなのに。なんで、ジョングガを見てるの？俺の時よりも楽しそうにしないで。

「テヒョン、ここのシーンはテヒョンが写真とってくれるの？.......テヒョン？」

「.......多分」

「制服どうかな？ちょっと小さいけど、」

「……うん、」

俺は前のように、純愛を演じることができるのだろうか。(人1)のイメージがぴったりすぎて、崩れる気しかしないが。

ふと(人1)が身につけた衣装に目がいって、思い出した。ジョングガの撮影内容は。＿＿＿＿ドメスティックな恋愛。

俺が正気で眺められる自信がないほど、過激なシーンがあると巷で噂されていたが、

最近大人びたジョングガにぴったりだと笑っていた数日前、まさかこんな感情になるなんて。

華奢な体から覗く綺麗なうなじ、簡単にはだけそうな薄着のワンピース、別の色気を醸し出す彼女はその役もこなしてしまいそうで、寂しくなった。