恋愛症候群。 (ページ35)

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バイト先に行くなんて俺は反対したけど、きっかけなんて奇跡的に訪れないし。

「ほら、行けよ。」

「いや、ちょっと待って…。」

本当に容赦ないんだから。
心の準備くらいさせてよ。

浅く息をついて、晃一を見た。

「晃一も一緒に来てよ。」

晃一はふるふると首を横に振ると、俺の背中を押した。

「なんかの間違いで俺に惚れたらどうする？」

「…ちょっと、嫌。」

「せやろ。それなら1人で言った方がいい。」

…晃一の言うことは一理どころか百理ぐらいはあるな。
晃一カッコいいし、話も上手いし雰囲気が朗らか。

気分屋な所はあるけど、俺より晃一の方が好かれるだろうな。

晃一にせよ、Aちゃんにせよ、好きになられたら困るよ。

「じゃ、一応行ってくる。覚えられてなかったら適当に頼んですぐ出てくる。」

「わかった、じゃあ俺はその辺でメシでも食ってくるわ。」

「うん。ありがとう晃一。」

お礼なんて滅多に言わないから、くぐもった声になってしまった。

晃一も晃一で驚いた顔をしてから笑顔で片手を上げる。

「…おう！」

……よし！

Aちゃんになんとかアピールしよう。

タイムリミットは2ヶ月足らず。
なんとか頑張らなくちゃ。