Your Heart is Child

Child 10 ページ11

・




智「翔くん・・・」




翔「わからなくもないんだ。めんどくさいに決まってるもん。こんなの」




聞こえないくらい、小さく小さくしゃべる翔くん。




翔「でも・・・それならどうして約束したんだろうって思うんだ。どうせ守れない約束なら初めからしないほうがいいよね・・・絶対」




結果、翔くんを、松潤を傷つけることになってるし。




智「ホント、そうだよ」




ニノのすました表情が頭に浮かんだ。




ますますイライラがつのってくる。




翔「・・・でも」




翔くんが松潤を背負いながら切り出した。




智「ん？」




俺はそれを手伝いながら翔くんの声に耳をかたむける。




翔「ニノを・・・あんまり責めないであげてね」




智「・・・」




どうしてあなたはそんなに優しいの？




許せるはずないのに。俺だったら絶対許さないのに。




翔くんの肩に頭を乗せたまま眠る松潤を見て、なおさらその想いが強くなった。




俺が黙っていると、翔くんは空気を悟り、




翔「今日は俺が潤くんが好きなもの、作ろうかな」




と、わざとおどけた口調で言った。




俺もつられて明るい調子で笑った。




智「いや、無理でしょ」




翔「あ、智くんひどい！」




なんでこんなに笑ってられるんだろうね。




なんでこんなに幸せ感じてるんだろうね。




翔くんとこれからもずっと一緒にいられたらなぁ。




・・・なんてね。




翔「これからも、幸せな日々が続くって思ってたな」




再び見せた翔くんの哀愁が漂ったような顔──。




智「俺が幸せにするよ」




翔「はは、ありがと」




本気だよ──。翔くん。




・

Child 11→←Child 9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す