狂犬病にはご注意を。【今日から俺は！！】

其の十 ページ11

相良「…恥ず」




あ「え、今かよ」




そんな思い出話をベッドの中でしていた私達。





相良「あの時はマジやばかったわ」





あ「やばそうだった」





相良「だいたいよぉ、
後ろから殴るのは俺だけでいいんだよ」





あ「うん、
後ろから殴るならもっと優しくしてあげて？」





伊藤くん、酷い怪我だったから。





相良「Aには優しくできんのになぁ」





あ「…嬉しい事いってくれるじゃねえか」





夜になると、彼はなぜか甘くなる。




昼間はずっと気を張ってるから、
その反動なのか？




相良「A、」





あ「ん？」





今にも寝そうな、とろとろした目で見つめてくる。





…色気がすごい





相良「明日、お前が作った弁当が食べたい」





あ「私のなんかでいいなら…」





相良「お前の弁当の味は、好きだ」





あ「そ、そうか」





相良「…母ちゃんのとよく似てる」





あ「え…、？」





相良「…」





聞き返した頃には、彼はもう夢の中。





…彼は親御さんと仲が良くない。





縛られることを嫌う猛は、

ずっと先生や親に対して反抗して来た。





"大人には従うべきだ。"




そんな考えを持った猛の親は、

猛を理解できず、

そして猛も親の考えを理解できなかった。





私の場合、親もツッパリだったから話が通じる。





恵まれてるんだな、といつも感じるのだ。





でもきっと彼は、





あ「本当は大好きなんだろうな…

お母さんもお父さんも。」





少し意地っ張りで、不器用だから。





あ「ふふ、可愛い…」





子供みたいな寝顔の彼が、




愛おしくてたまらないのだ。

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