My lxxx！02 (ページ46)

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曇天ページ46

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ru「…そんでさ、この話の続きが阿部ちゃんが見してくれた記事に載ってたの。

…お母さんは即死だったみたい。お父さんはあのあと首を吊った。俺は、離れた場所で見つかったけど、父親が母と息子を殺して自分も死んだ一家心中って書かれてた。」

ラウールは話を終えると一口ココアを飲んだ。

ru「俺頑張ったんだけどな、最期。お父さんに刺されたってバレないようにしようって。でも家から離れたところで証拠隠滅にも何にもならないから意味ないんだけどね。あのときは考えられなくて。」

iw「だから、上着には血が付いていなかったんだな。」

ru「…そうだね。」

そのあとは沈黙。こんなこと岩本に話したって気まずくなるだけだということはわかっていた。それでもただ誰かに自分の生きた証を聞いてほしかったのだ。

ru「…生きたかったなぁ。」

その言葉に岩本は少し驚いた。今まで、ここにいる者は生きたかったと後悔するものが居なかったからだ。初めて聞いた言葉に、悲しみすら覚えた。

iw「お父さんとお母さん、もしかしたらラウールみたいに幽霊になってさ迷ってるんじゃない？」

ru「多分ないかな。二人はやりきった顔してたから。今頃弟と三人で向こうにいるよ。…俺も、行かなくちゃ。」

悲しそうな顔をしていたラウールはそう言ってようやく顔を上げた。
それでもいつもの明るさは消えていて。そんな姿を見て岩本はまた語り始めた。

iw「ラウはさ、一つ願い事が叶ったら何したい？」

ru「えー……何だろ？」

iw「俺はな、過去に戻りたい。」

そう言って岩本はくしゃっと笑った。