君に伝える物語 ページ31
・
nb「寝坊したぁ！！」
そう大きな音を出しながらリビングにやって来たのは渡辺だった。急いで朝御飯をかきこみ、家を出る仕度を始める。
仕事を辞めた渡辺は言っていた通り、とりあえずと花屋でアルバイトを始めた。しかし、初めての出勤日。バタバタと仕度を始め、乱暴にいってきますと告げると家を後にした。
ab「朝からうるさいなぁ。」
dt「まあ翔太が寝坊なんて珍しいかもね。」
岩本も数分後に仕事へと家を出る。死んだ暇人達は宮舘が作った料理を食べながらのんびりと過ごしていた。
しかし、そこに佐久間がまだ起きてこない。誰かが様子を見に行こうとするのを向井が慌てて止めていた。佐久間にも考え事をしたいときがあるのだと。
しかし、昼を過ぎればひょこっと出てきていつもと変わらない姿を見せた。
ru「阿部ちゃん、勉強教えて。」
ab「え、…いいけど。」
ラウールは買ってもらった高校生向けの数学のワークを机の上に開き、阿部を呼んだ。久しぶりにラウールに話しかけられ、阿部は驚いた様子を見せるも、すぐにいつものようにラウールと向き合うように座った。
ここが解けない。わからない。そう阿部に問うと、すぐに答えが返ってくる。ラウールはいつものように勉学に取り組んだ。その姿が、阿部にとっては不思議でしょうがなかった。
ab「ラウールは凄いね。生前は結構勉強出来てた方なんじゃない？この問題解けるなんて、有名大学に行けるくらいだよ。」
ru「ええ、そうなのかな？」
ab「…何でラウールは、死んでもなお勉強するの？」
そんな問いかけにラウールは首をかしげる。
ab「…死んでるんだから、勉強しても意味無いじゃん？数学解いたって、有名大学に行けるわけないのに。」
ru「…あぁ。何だろ。単純に楽しいんだよね。知らないこの世の仕組みを知れるような気がして。…ねえ、阿部ちゃんは勉強嫌いなの？」
ab「…え。」
ru「頭いいけど、なんかいつも嫌いそうだから。」
ラウールはそう悲しそうな顔で阿部を見つめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2020年8月11日 17時
