残骸 ページ25
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車の中は行きとは違いやけに静かだ。誰も話そうとしなかった。しかし佐久間は、自分が言い出した行いのせいで深澤を会いたくなかったであろう人に引き合わせたことに申し訳なく思っていた。
sk「…あの、ふっか。ごめんな？」
fk「何が？」
sk「え、いやその、俺が墓参り行こうとか言い出したから。」
fk「別に、全然なんとも思ってないよ。」
窓の外を眺める深澤の表情は読み取れない。それでもなんとも思っていないはずがないのだ。
その後も車中は沈黙が続いた。
そして、家にたどり着いた。
sk「ただーいまー。」
mg「うわ、何これ。」
nb「ヤバイ、ちょう臭いんだけど。ラウールお前焦がしてんだろ。」
ru「え？そんなわけ…うわぁ！？」
ab「…何でこうなるの？」
kj「ああもう！一人でやった方が楽やん！」
ただいまという声に誰も返さず、奥からは騒がしい声だけが聞こえる。
そして、焦げ臭い臭いが充満していた。
臭いのする台所へと向かうと、五人があわてふためきながら片付けをしていた。
kj「あれ、お帰り。」
iw「…これは、どういう状況？」
kj「ええっと…まあ、ケーキを作ろうと思ったんよ。食べたくて。けど舘さんまた病院に行ったみたいで居ないし？皆で作ろかってなったんやけど…」
sk「あー、このメンバーでケーキは無理でしょ。」
kj「…おん、びっくりするくらいラウが出来ひんかった。」
ru「まあ俺高校生だからね。」
nb「関係ないだろ。」
台所にはアニメで見るレベルの真っ黒の大きな物質が置かれていた。臭いも酷い。食べ物には到底見えない代物だ。
フライパンには焦げがこびりつき、宮舘によって整頓されていた台所はかなり悲惨な状態だ。
こんな台所を見たら、宮舘はどう思うだろうか。
iw「…ま、今度舘さんに作って貰お。とにかく早く片さないと舘さんに怒られる。」
dt「もう居るけどね。」
後ろから聞こえた声に、誰も振り向くことは出来なかった。
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作成日時：2020年8月11日 17時
