My lxxx！02 (ページ22)

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岩本は車椅子を出し、深澤を降ろそうとしている間に佐久間は先に沢山の墓の中から自分の名字を探した。

どこにあるのかと歩き回り、ようやく端の方に存在していたのを見つけた。

sk「…あった。」

その墓は綺麗に整頓してあり、何日か前に置かれた枯れた花があった。誰かがここにちゃんと来ているのだ。

iw「佐久間早いってば。」

sk「あぁ、うん。ごめん。」

岩本の問いかけを虚ろに返すと、佐久間は左側の側面を見た。
そこには佐久間大介という文字。

…そして、その右隣に佐久間奏太という文字。
弟の名前だ。

二つの名前が掘られた墓に、佐久間は膝から崩れるように座り込んだ。

fk「うお、…大丈夫？」

sk「…大丈夫、大丈夫。」

佐久間が確認したかったのは、自分が弟と同じ墓に入れられているのかということ。
それは、佐久間の親が人を殺した兄を許してくれているということを表している。

綺麗な墓に、人殺しの自分が弟と一緒に眠っている。そんなことあっていいのだろうか。

座り込む佐久間に、岩本と深澤は何も言わずにその場に留まった。
20分ほどしてから、佐久間はようやく立ち上がった。

sk「…よし、行こうか。」

iw「もう行っていいの…？一応線香とか、花とか用意してきたけど。」

sk「…人殺しの自分に、そんなものいらないよ。」

それにもう充分だ。親が自分のことを許してくれている。今自分は弟と一緒に眠っている。それに気づけただけでもこれ以上のことはない。

一度だけ手を合わせ、もう存在しない弟に向かって心の中で呟く。

俺も、そろそろそっちに行くからねと。