My lxxx！02 (ページ21)

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希望に溺れるページ21

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fk「ふざけんなって、せめて阿部ちゃんも呼んでよ！！」

墓に行こうと言い出した佐久間は嬉しそうに車に乗り込む。そんな車の中は佐久間、深澤、運転席に座る岩本の三人。

本当は阿部も連れていこうとしたのだが、阿部は本当に行きたくないと朝から部屋に閉じ籠った。
どうにかドアを開けようとしたのだが、一体どこにそんな力があるのかというほどドアは開かず、結局同じように行きたくないとソファにしがみついていた深澤だけを引きずってここまで連れてきたのだ。

fk「マジふざけんな…俺が動けないの逆手に取りやがって。こんなんいじめだろ！！」

sk「うるさいなぁいいじゃん別に！！墓行くくらい何も起きないよ安心して！」

iw「お前らシートベルトつけろよ。」

sk「だから幽霊にシートベルト意味ないじゃん！」

iw「うるさいな、いいからつけろって！」

岩本の怒りで急発進した車に揺られながら深澤は苛ついた表情で窓の外を見つめ、佐久間は嬉しそうに足をぶらつかせながら前を見つめていた。

自分が成仏するために、まずは墓に行こうと決意したが、正直自分の墓にお墓参りしたって何も意味はないことはわかっている。
何かが解決するようには思えない。

それでも一つ、佐久間には気になっていたことがあった。そのために行くのだ。

車は佐久間が生まれ育った町、板橋区に到着する。見慣れた町にすこし心臓が跳ねた。
警察に捕まって以来、初めてこの場所に来た。かなり久しぶりだ。

そして車はゆっくりと曲がり、砂利道の駐車場に止まった。目の前は住宅街によくある小さな墓場が広がっていた。
それは、自宅の近くでもある。

iw「…着いたぞ。」

岩本の声に、何も言わずに車から降りた。