刹那の道連れ ページ3
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佐久間は自分が知っている限りの目黒のことをラウールに話した。
ru「…それって。」
sk「…目黒は気づいてないけど、話を聞く限りふっかが目黒が死ぬように少しずつ仕向けていたようにしか思えないんだよね。」
話を聞く限り言葉巧みに少しずつ目黒を死の方向へ進めたのは深澤だ。
sk「今回の翔太も、ふっかが何か言ったんだろうね。」
ru「…何でそんなことする必要があるんですか？そんなの、酷すぎる。」
kj「…それは俺等にはわからへんねん。俺と佐久間くんが来る前にここに居た人達なら知ってるんやけどな。俺達には教えてくれなかった。」
佐久間も向井もその話を聞いたとき、直接目黒に深澤に仕向けられたことだと伝えた。それを目黒は全て受け流した。
深澤にも何故そんなことをしたのか聞いたが、録な答えを出してはくれなかった。
この中で唯一理由を知る宮舘を見るが、ただ渡辺を見つめているその様子じゃ教えてくれることはないだろう。
岩本と阿部は違う部屋に行ったっきり戻ってこない。
岩本はリビングのソファに戻り、一つため息をついていた。阿部もその隣に座る。
iw「…何で隣に来るんだよ。」
ab「人の死ぬ話聞いてると気分悪くなるから、俺も逃げてきたの。」
阿部はソファの上で山座りをし、そのまま話を続ける。
ab「この前さ、ふっかが翔太に生きる意味あるか聞いてたんだよね…そっから、翔太考えるようになってたのかな。」
iw「…目黒の時みたいに翔太まで。」
未だに怒りの目をしている岩本に、またさらに阿部は話をする。
ab「…けど俺は、ふっかに同情してるところもあるよ。」
iw「…わかってる。」
ab「きっと辛かったんだよ。その辛さを誰かにぶつけないと、押し潰されそうだったんだよ。」
iw「…あぁ。」
小さく返事をする岩本は、少し迷っているようだった。
ab「翔太も、ふっかも目黒も。助けられるのは照だけだよ。」
iw「…わかってる。」
ab「…本当は怒ってないんでしょ？きっと今思ってることを本人にぶつけるだけで、助けられるはずだよ。」
そんな言葉に背中を押され、岩本は上着を手にすると、家を後にしようとし、立ち止まった。
iw「阿部も、そろそろ向き合わないと駄目なんじゃない？」
ab「…わかってるよ。」
その言葉を聞き、そのまま玄関から出ていった。
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作成日時：2020年8月11日 17時
