My lxxx！02 (ページ19)

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無知でいれば日常をページ19

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ラウールの声は寝室まで届いていた。ぼんやり目を覚ましていたところに響いた声。ラウールが怒っている声なんて聞いたこともなく、佐久間はラウールと阿部の声に耳を傾けた。

ラウールは自分が一家心中で死んだことに確信を持ち、唯一パソコンを持つ阿部が調べられていないわけがないと問いただしていた。

事の顛末を聞き、何となくもう一度布団にダイブする。
少しずつ、皆が前を向き始めている。この生活から抜け出そうとしている。

会いたくないと言っていた親に会いに行った康二。少女が目を覚ましたら消えると断言した宮舘。他の人も、少しずつ前を向き始めている。

ならば自分は？どうすれば前を向けるのだろうか。ここから消えることが出来るのだろうか。

iw「え…お墓？」

sk「そう。自分の墓に行きたいなって。」

結局何も思いつかなかった佐久間は考えるよりも行動しようとそう言った。自分の墓にお参りしたって何も意味が無いだろうが、何もしないよりかはマシだ。

iw「…まあ別にいいけど。何人かは墓の場所もわかってるし。」

sk「お、てか俺の墓あるの？」

iw「あったよ。確か…佐久間と、阿部と、康二とふっかの場所は把握出来てる。」

sk「へえー…じゃあさ、わかってるとこ全員分行こうよ！」

そう言うと嫌そうな顔をしたのは阿部と深澤だ。

kj「俺のとこは遠いから行けへんやろ。」

sk「あーそっか…じゃあ俺と、阿部ちゃんとふっか？」

ab「…嫌だ。」

fk「俺も別にいいわ。」

sk「いいじゃん行こうよ！！中々ない機会だよ？自分の墓に行けるんだよ！？」

だんだんテンションがあがってきた佐久間は二人に大声で詰め寄る。

mg「別に行かなくてもいいでしょ。」

nb「まあ、そうだね。」

sk「ええ！！いいじゃん行こうよー。」

当の本人以外も別に無理に行かなくてもいいのではという考えのようだ。

iw「…いや、二人のとこも行こう。」

しかし、佐久間の提案に唯一乗っかったのは岩本だった。少し悩んだ素振りをしてから、真っ直ぐそう言い放った。

二人は中々生前に向き合おうとはしない。特に阿部。だからこそ少しでも生前に向き合うきっかけを作れるのならばと岩本は思ったのだ。