My lxxx！02 (ページ13)

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mg「風呂、そんなに俺と入りたかった？」

ru「うん、話したかったから。」

mg「へえー。」

普通の家よりかは広めの湯船に浸かりながら、目黒はまだ頭を洗っているラウールに声をかけた。

mg「あ…。」

ru「何？」

mg「壁。翔太君の血まだついてる。」

ru「うわ！！さっき必死に洗ったのに！！」

血なんて見慣れないものをラウールは目を背けてシャワーで洗い流した。
その血を見て、ラウールは渡辺が言ったあの言葉を思い出した。

ru「…心中。」

mg「…え？」

ru「…翔太君がね、ふっかさんがしたいのは、心中だって。だから怒らないというか、怒れないって。」

目黒はその言葉に少し嫌悪感を抱いた。深澤がしたかったのは心中だとしたら、自分はそれに巻き込まれて死んだだけだとでも言いたいのだろうか。
それは違う。あの人がしたいのは救済だ。そう自分自身に言い聞かせた。

mg「…そんな考えもあるのね。」

ru「…俺、その言葉がずっと引っ掛かってて。何か、他人事じゃない気がして…何だろう。もやもやしてる感じ。」

mg「へえ…」

ru「…俺の死因、その…誰かとの心中とかじゃ、ないよね？」

少し潤んだ目で目黒に問いかけるラウールだが、きっと本人の中ではもうそれが確信になっているのだろう。
それでも問いかけるのは、それを誰かに否定してほしいということだ。

mg「……もしそうだとしたらさ、とっくに阿部ちゃんが調べて教えてくれてるんじゃない？心中とか、殺人みたいなもんだから結構な事件だしニュースになるでしょ。」

ru「そう、なのかな。」

mg「…俺は、違うと思うよ。考えすぎだって。それに、まだまだ時間あるんだし、そんなに焦って思い出そうとしなくていいんじゃない？」

ru「…そうだよね。」

別にラウールが誰かと心中して死んでいるとしても、そのことがまだ誰にも発見されていなければニュースで取り上げられることはないため阿部が調べられることなんてない。

今までラウールの記憶は何の手がかりもなかった。そして、ラウール自身は心中で死んだことに悲しいが確信を持っているようだ。

しかし、まだそんな悲しい結末を知らないでほしい。そう目黒は思っていた。ここにいる人達のように辛い過去がラウールにもあったのなら、知らないでいた方が幸せだ。
だから、まだ思い出さないでくれ。そう思いながらラウールを見つめていた。