My lxxx！02 (ページ11)

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fk「…いやぁ、帰るって。舘さんが出ていってって言ったんだよ？まあそれも仕方ないと思うし、帰らないよ。」

iw「…帰ろう。」

mg「…岩本君。そりゃずっと一緒に生活してきたけど、結局俺達は他人でしょ。関係ないじゃん。」

他人。そんな言葉に岩本は酷く絶望した。この関係性を、他人だなんて言えるだろうか。そんなはずはない。

iw「まだ、苦しかった？」

mg「…は？」

iw「皆で楽しく暮らして、俺はそれで皆が暗い過去を忘れてしまえばいいと思ってた。生きるのが苦しかったなら、それを楽しい記憶で塗り潰してやるって。それで、生きることは楽しいって思わせてやるって。」

fk「…照はさ、結局俺達の気持ち何てわからないんだよ。」

その言葉が深く突き刺さる。

fk「佐久間が何で人を殺したのか。阿部ちゃんが何で自分で死んだのか。…康二がどれだけ辛い思いをしたのか。全部、わかってるつもりでわかってないんだよ。
幸せな生活してきた奴に、わかるはずがないんだよ。」

それは岩本が長年悩み続けたことだった。皆がどんな気持ちで生きてきたのか理解しようと何度も話を聞き、必死に調べても、結局相手の全てをわかってあげることなんて出来やしない。それは誰にも出来ない。
それがもどかしくて苦しい。

iw「…その通りだ。」

悔しくて、弱音を吐いてしまった。

iw「…けどな、皆の辛かった思い出をぶっ潰してやるって気持ちに嘘はない。そのために必死に皆のことを調べて、自分に出来る事は全部してやろうって。
なあ…二人は生まれ変わりって信じてる？」

fk「…急に可愛いこと聞くじゃん。」

iw「…俺は信じてる。お前らみたいな存在があるなら、生まれ変わりもあるって。
そのときに、またこの世界で生きたいって思っていてほしい。そんでまた、皆と生きて再会したい。」

mg「そんなの本当にあるかわかんない。」

iw「…それでも俺は信じたい。皆と、また会いたい。」

真っ直ぐ二人を見つめ、自分にも言い聞かせるように言った。それが、岩本の願いだ。
必死に訴えかける岩本の姿に、深澤は一つため息をついた。

fk「…お人好しなんだから。わかった、戻るよ。翔太と舘さんにも謝んないとだし。」

mg「え、…戻るの？」

fk「お前さ、俺についてきたけど戻りたいって考えてるのわかりやすいんだって。離れたくないんでしょ？」

mg「…うん。」

そう話す二人に、岩本はありがとう。とだけ伝え、今来た道を三人で戻っていった。