My lxxx！02 (ページ2)

今日:14 hit、昨日:28 hit、合計:166,320 hit

・ページ2

・

高校生活も終わりに近づき、マフラーに顔を埋めながら入った教室。いつもの騒がしい空気が一瞬だけ止まったような気がした。
そんな少しの違和感を感じながらも、目黒は自分の席へと座った。

「目黒君、一人で喋ってたんでしょ。」

そんな女の声が聞こえ、咄嗟に顔をあげた。教室の前の方で小さな声で自分に聞こえていないと思っているのか何人かが話を続けている。

「中村君達が昨日見たらしいよ。路地裏で一人で楽しそうに喋ってたって。」

「ええ、喋ってるの見たことないよ？顔はいいのにそれはちょっと…怖いというか…。」

そうくすくすと笑いながら話している。やめろ。やめてくれ。

「何か、気持ち悪いね。」

内気そうな一人がそう言った。それに周りが賛同している。

耐えられなくなり机を思い切りバンッと叩いた。周りが静まり返り、顔を俯けていても全員の視線がこちらに向いているのを感じる。

痛い。
苦しい。

そのまま逃げるように教室を出た。荷物もそのままに。学校を出て、向かうのは深澤がいる路地裏。

mg「…苦しい。」

fk「…どうした？」

mg「…この世界は本当に汚い。…自分の欲ばかり考えて、周りなんて見向きもしない。自分は悪い人間なんかじゃないって勘違いして、…自分の間違った正義を貫いて。」

fk「その通りだと思うよ。」

mg「…俺って、気持ち悪い？」

fk「そんなわけないじゃん。気持ち悪いのは、この世界だよ。」

深澤は真っ直ぐ目黒の目を見てそう言う。

fk「そんな世界から居なくなる方法は、もうわかってるはずだよ。」

そう言われ、目黒は辺りが暗くなるまで町を歩き続けた。歩けば歩くほど、この世界の汚さを目にする。しかし、この世界で幸せに暮らしていけるものもいる。

自分は、この世界に合わなかっただけだ。
ならば、違う場所へ行こうか。

真夜中の誰もいない学校。忍び込んで屋上の淵に立った。新しい世界へ。
恐怖心は何処にもない。そのまま足を一歩進めた。酷く鈍い激痛を感じ、そのまま気を失った。

気づいたのは学校の最寄り駅だった。結局自分にも何かしらの未練があったのだろう。
急いでいつもの路地裏へと行く。

深澤は特に何も反応せず、いつも通り目黒と接した。そして、それから着いていくようになった。車椅子を拝借し、毎日適当に徘徊するのは、生前よりも楽しい。そんなとき、岩本達に出会ったのだ。