HIDE IN SEW

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部屋に戻るのは億劫だ。
何いってるかわからない佐久間くんが俺と阿部ちゃんに喋りこみ、阿部ちゃんはそれを何いってるかわからない難しい言葉ばかり使って論破する。
毎日これが続くのはうんざりだ。



ある晩。
俺は夢を見た。


『お前なんて居なければ。』


泣き叫んでいる母。物がどんどん自分の方に飛んでくる。夢ではない。昔の自分だ。たまに寝るときに思い出してしまう。


お風呂場に連れ込まれれば頭を湯船に押さえられ息ができなくなる。
思い出しただけで自分の息も苦しくなりぱっと目を覚ました。心臓がまだ跳ねている。


このままでは寝れない。そう思い１度水でも飲んでこようとリビングに下り立つ。

リビングから足音が聞こえる。
今は夜中の３時だ。そんな時間に起きているなんて。そう思い扉を開いた。


ラ「あ、めめだ。」



そこにいたのはラウール。



ラ「…どうしたの？顔真っ青だし汗めっちゃかいてるけど。」


あまり自分の話にしてほしくなくて、その質問の返事は返さなかった。


目「ラウールこそどうしたの？こんな夜中に。」

ラ「いや、寝れなかったからさ。ホットミルク飲んでたの。あ、めめも寝れなかった？」

目「まあ。水のみに来ただけ。」


そう言うとラウールはちょっと待っててと言うと台所へ駆け込み、もう１つホットミルクを机に置いた。



目「ああ。ありがと。」



そう言ってホットミルクを飲むと少し気持ちが落ち着く。それでもまだ昔の事を思い出した動揺で変なことを口走ってしまった。




目「ラウールはなんで暴力団なんかに入ってたの？」



口走ってからしまった、と思った。

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