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−−渡辺−−−−−−−−−−−−−−−−−
あれから1日がたつ。ご飯は何も食べていない。体の自由はなく心身は疲れきっていた。
あのあと、何度も何度も繰り返し行われる尋問。いや拷問だ。
足の傷口は開き、自分の爪は血だらけ。何度も殴られ蹴られ、次は歯を抜くと脅してきた。
歯は抜いてほしくない。
他は回復できるが歯は抜かれたら一生生えてこない。
それに痛い。
このときにはもう誰も喋る気力も残ってなくて、ただ床に這いつくばっていた。
するとまた鉄格子が開く音がする。
また拷問が始まるのかと身をすくめる。
しかしいい香りが漂ってくるだけだ。
「静かにしてて。ご飯持ってきただけだから。」
びっくりして顔を上げると舘さんと呼ばれていた男が炒飯を3つ持って下に置いた。
そして3人の手の縄をほどく。
これは逃げられるのではとも思うが足枷があり到底逃げられない。
舘「1日何も食べてないだろ。このことは誰にも言うなよ。」
そう言って炒飯を一人一人の前に置いた。この男は俺を撃ってきたものの、他の2人に対して拷問に手助けすることはなく、ただ顔を歪めて俺たちを見つめているだけだった。
康二とふっかと目を合わせ俺は食べることを決める。
この匂いにこの空腹では勝てない。
渡「…いただきます。」
向「いただきます。」
そう言ってスプーンで炒飯を食べると、美味しい。今まで冷凍食品とカップラーメンばかりだったため久々の手料理。お店の味がする。
舘「お前は食べないのか。」
ふっかは食べないようでそっぽを向いて寝転んでいる。実践経験のある人からすればこんなときのご飯は毒の可能性もあるため食べないのが常識なのだろう。
舘「別に毒は入ってないんだけど…。」
仕方ないかと苦笑いをし舘さんという男は座り込んだ。
渡「お前、こんなことしていいの。」
舘「まあ、駄目だけどね。」
そう目を伏せながら言うと食べ終わった皿を片しにいった。
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..... - FYI, the word “ejaculation” is very inappropriate. (2020年7月10日 8時) (レス) id: cb998c405d (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - 初めましてコメント失礼します。こういうタイプの佐久間くんをずっと追い求めていて本当に好みの作品に出会えて感激しております……。内容も面白くて読んでいて惹き込まれました。更新頑張ってください、これからも応援しています! (2020年3月14日 13時) (レス) id: 489a166a7a (このIDを非表示/違反報告)
xxx(プロフ) - いつも更新楽しみにしています!佐久間くんの罪だけ分かっている状態で他のメンバーの罪はどんなんだろう、どうやって判明するんだろうなんて思いながら読んでおります。お身体に気をつけて頑張ってください! (2020年3月12日 18時) (レス) id: bbbfe29df4 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年3月10日 17時