【イナオリ】破壊の女神2【オリオンの刻印】 (ページ9)

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柱ページ9

戻ってきたAがみんなから話を聞いて、杏奈に再確認をしてしまうほどの事態だった。

「円堂が………警察に？」

申し訳なさそうに頷く杏奈にAは言葉を失う。

なんでも、杏奈と円堂で買い出しに赴いた際チンピラに喧嘩を吹っ掛けられて円堂が杏奈を庇ったところ怪我をした演技をされてそのまま警察に連れて行かれてしまったという。

「この後の試合は＿＿＿＿」

「円堂なしで挑むしかないですねぇ」

相変わらずおちゃらけた様子の監督と対照的にAの顔は青ざめていく。

チームのキャプテンで、戦力的にも精神的にも大きな柱である円堂無しで試合に挑む。

おまけに、鬼道のような司令塔も不在。

大きな柱を二本も失った状態での試合。

代わりのキーパーは西蔭が努めるというが………。

「………勝つ、以外に道はないけど」

一人、輪から外れてパソコンをいじる一星に目を向ける。

＿＿＿＿。

一星を睨みつけたくなる衝動をなんとか抑え、Aは頭を抱える。

完全なる自己保身ではあるが、今は一星に喧嘩を売るような真似はしたくない。

「あ、もうこんな時間………移動しないと遅れちゃいます」

というつくしの声でみんなは動き始めるが、雰囲気はお世辞にも良いとは言えなかった。