【イナオリ】破壊の女神2【オリオンの刻印】 (ページ4)

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つくしと杏奈と交代して、ようやく朝食を済ましたAは欠伸をする。

いつもより早起きだったのに加え、朝から慣れないことをたくさんした代償だった。

もう朝食を終えて、練習の準備に赴く者や仲間と談笑を楽しむ者など様々だ。

「あのチキンソテー、お前が作ったんだってな」

急に後ろから肩を組まれたと思ったら、風丸からそんな言葉が発せられる。

「うん、まあね」

「美味しかったぞ。料理できたんだなー、お前」

「ちょっと、どういうこと？」

「あんまり家庭的なイメージ無かったからな。意外だなと」

「これを機に改めておいて」

「はは、考えておくよ。じゃあ、俺はもう練習行くから。後でな」

蒼き疾風という異名の如く過ぎ去っていく風丸にAは手をヒラヒラと振って見送る。

そして、つくしの方へと足を進める。

実は今更になって思い出したのだが、Aにもちゃんと推し選手とやらはいるのだ。

それを訂正するのだ。

「つくし」

「あ、Aちゃん」

「昨日話した推し選手の事だけど＿＿＿＿ちゃんと別の人がいるの」

「え、え？誰々！？」

「実は＿＿＿＿」

Aがそっと耳打ちすると、つくしは興奮気味にはしゃぐ。

「杏奈ちゃんにも教えていい？」

「うん」

と、今度はつくしが杏奈に耳打ちする。

「………なるほど。確かに彼はどの技も強力で美しいし、人柄的にもあまり問題はないわ」

「うんうん！でも私、その人のライセンスカード持ってないや」

Aちゃんにプレゼントしたかったなー、本当の推し選手のライセンスカード。とつくりは悔しそうに呟く。

「でもでも、ヒロトくんのはあったからあげるね！」

Aの手には強引に握らされたヒロトのライセンスカード。

逃げるように去っていくつくしとそれに連れて行かれてしまう杏奈。

何をそんなに慌てているのか、と頬をかくAの肩を何者かが叩いた。