【イナオリ】破壊の女神2【オリオンの刻印】 (ページ11)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:10,282 hit

重荷ページ11

「落ち着いて行くよ！」

試合開始とほぼ同時にそう声を掛けると、返事が返ってくる。

攻め上がる灰崎がボールを奪われると

「何やってんだ！このデク！」

とヒロトが灰崎を責める。

「仕方ない………明日人！下がって！」

ボールを奪おうとするも、Aは交わされ攻めることを許してしまう。

『おっと、日本のフィールドブレイカー！珍しくプレイに焦りが見られます！突然キャプテンを任された影響か！？』

実況の煽りに苛立ちを覚えつつも、必死に冷静を装って相手を追いかける。

三人が三角形になってパスを回しながら、万作、岩戸、風丸とディフェンスを突破してしまう。

「追い付けない………」

「レクイエムダスト！」

相手にシュートをうつことを許してしまった。

あとは西蔭しかいない。

「西蔭！」

西蔭は跳ぶが、ボールは西蔭が跳んだ方とは逆の方向からゴールを穿った。

もう一点先制されたという事実にAは歯を食いしばりながら自分のポジションに戻っていく。

チームのあちこちから言い争う声が聞こえる。

「＿＿＿＿みんな、まだ一点だよ。巻き返そう。連携を意識して！」

明確な司令塔がいないせいで、チームの連携が機能しない。

しかもそれを、本人達は気が付いていない。

だから、連携を意識しろと言っても聞くものはいないだろう。