【イナオリ】破壊の女神2【オリオンの刻印】 (ページ1)

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部屋ページ1

灰崎とヒロト、怒涛の突入によりAの部屋の扉が蹴破られてしまった。

プライバシー問題に加え、女子ということもあって扉が修理されるまでマネージャーと同じ部屋で過ごすことになった。

「今日から暫くお世話になります」

「うんうん、宜しくねー」

つくしに案内されて、杏奈とつくしの二人部屋に入る。

Aの部屋は一人部屋だったため、こちらの部屋の方が幾分か広い。

「まだ十時かー………じゃあ、修学旅行定番のガールズトークといきましょう！」

「ガールズトークって………一体何を話すの」

「もー、杏奈ちゃんったら。それはもちろん、恋バナでしょー？Aさんも！ね？」

「や、別に私は………」

遠回しに断りを入れるAの思いは届かず、つくしは杏奈を連れてAの布団に潜り込んでくる。

「じゃあー………杏奈ちゃんは野坂くんのどういうとこが好きなの？」

「………え？別に私は野坂くんが………その、好きとかじゃなくて………」

「まーたまたぁ………」

恋バナなんて経験初めてのAは会話に入り込めず、二人の間で硬直していた。

野坂………杏奈ちゃんは野坂が好きなんだ………とどこか上の空で話をきくだけ。

「むー………じゃあAちゃんの推し選手とかは？」

「お、推し………？」

「カッコイイなーと思う選手とか」

そう言われてAの頭には様々な選手が思い浮かぶ。

選手がどうこうよりも、技がカッコイイなーと思うくらいだが。

「んー、やっぱりザ･エクスプロージョンが好きかな」

「ってことは………ヒロトくん！？」

「そう………なる、のかな？」

「へぇ………意外ね」

「うん！すっごく意外！吹雪さんとか、風丸さんとかだと思ったなー」

「＿＿＿＿や、士郎は」

数時間前の光景がフラッシュバックしてきて、Aは顔を染める。

「え、え、どうしたの？」

「なんでもない！もう寝るね！おやすみ！」

枕に突っ伏してうんともすんとも言わなくなってしまったAをつくしは必死に揺すって起こそうと試みるが無駄な労力となった。

「Aさん、うんともすんとも言わないけど呼吸してる？」

「ええ！？だ、大丈夫？」

つくしと杏奈が慌ててAをうつ伏せから仰向けにさせるとAは既に寝息を立てていた。

言うまでもなく、狸寝入りであるが。