【イナオリ】破壊の女神 (ページ44)

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盗聴ページ44

一星を追っていくと観客席に辿り着いた。

一星と男が何やら話しているが、ここからではよく聞こえない。

もう少し近い位置に隠れようと、Aが身を乗り出した時。

「久しぶりだね、Aくん」

一星と話していた男が目の前に現れた。

いつの間にか。

「………君ほどの実力者なら裏切り者と言えども、再び歓迎するよ」

Aの肩を強く叩くと、男は去っていく。

その場に立ち尽くすAの顔は青ざめ、体は震えていた。

「雷門には裏切っても唯一排除されなかった使徒がいると聞いていたが………お前だったとは」

一星は向き直って、Aに歩み寄る。

「………なん、のこと。」

「とぼけるか？お前の身体のどこかにも、あるんだろ？刻印が」

「ないよ、そんなもの………一星………」

「知ってるぞ。お前の刻印は………ここにある」

一星はAの左手を掴んで、ユニフォームをたくしあげた。

白く艶やかな曲線を描くくびれと骨盤が露わになる。

その右の脇腹には。

濃くハッキリと刻まれていた。

オリオンの使徒の証である、オリオンの刻印が。