【イナオリ】破壊の女神 (ページ41)

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「おい、離れろよ！」

「凄いよ………ヒロトォォ………」

「な、泣くなよ！俺が泣かせたみたいだろうが！」

ヒロトに抱き着いたまま泣き始めたAにヒロトは動揺を隠せない。

たくさんの観客に囲まれ、フィールド中央で抱き着かれ泣かれるヒロトを見てざまぁみろと言ってベンチに去っていく。

「おい！こいつどうにかしてくれよ！」

「ほんと凄い………ヒロト………」

感動のあまり著しく語彙力が低下してしまったAは凄い、とヒロトしか言えなくなっていた。

「………ったく。当たり前だろ、俺はゴッドストライカーなんだからよ」

と言ってヒロトは右手を彼女の腰に回し、左手で優しく頭を撫でてやった。

そこからいい加減に離れろ、と照れたヒロトに無理矢理剥がされるのは約三分後の話。

その後、集まったのは男子更衣室であった。

入るのを躊躇うAを余所につくしや杏奈は堂々と入っていく。

「りおさん、入っていいのよ」

「そ、そうなんですか夏未さん」

夏未に連れられて入ると、みんなで三色団子を食べているだけだった。

ホッと胸を撫で下ろしてAも三色団子を一つ手に取り、美味しそうに食べ始めた。